ファルコン9

アメリカの民間宇宙企業スペースXが開発を進めている再利用ロケット『ファルコン9』について、日本時間明日午前(7時半以降)、回収・再整備されたロケットを使用し再び宇宙を目指す打ち上げが実施されます。

スペースXによると日本時間明日午前、国際宇宙ステーションへ物資を送り届けるドラゴン補給船の打ち上げについて、2016年4月8日に打ち上げに使用し回収したロケットを再使用すると発表しています。スペースXはこれまで複数機のロケットを回収しているものの再整備されたロケットの打ち上げは初めてになります。

スペースXは現在、世界で運用されている使い捨てロケットとは異なりロケット本体を回収・再整備することで打ち上げコストを大幅に削減する構想を進めています。
具体的には『ファルコン9 FT』と呼ばれるシリーズの打ち上げは1回あたり6200万ドル(約68億円)と安価なのですが、再利用ロケットの場合はさらに1/3ほどのコスト削減が行えており日本円では45億円程度になるとしています。今後回収と整備が繰り返されることで更なるコスト削減が行える可能性は高いと考えられます。

▼再打ち上げが行われるロケット


▼海上回収におけるファルコン9ロケット(第一段)の軌道
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ロケットの再利用は当初から難しいとされ幾度となく失敗を繰り返し、転倒し派手に爆発したこともありました。しかし、ここ最近はほとんど失敗することも無く回収自体は技術的に可能であることを証明してます。

大型ロケットの回収・再利用は世界でもほとんど実施されておらず、スペースXが始めたことで世界の宇宙機関が開発している次世代ロケットは再利用という新しい運用方法に切り替わりつつあります。イーロン・マスク氏率いる同社は2002年に設立された企業で、僅か15年で世界で通用する安価で性能を超える高性能なロケットを開発し続けています。