冥銭_1

亡くなった人に副葬品として埋葬や火葬する際にお金を入れる風習が現代も残されています。このようなお金は『冥銭(めいせん)』と呼ばれており、現在は本物のお金ではなくお金を模した紙等が入れられことが多いとされるのですが、中国ではこの冥銭が原因で市民らの鉛中毒が報告されているそうです。

現在、東アジア周辺の道教や仏教を信仰する地域では死者と共にお金を埋葬したり火葬する儀式が行われることがあります。これは死後の世界でもお金に困らないようにしたいなどという想いから副葬品として入れられるものなのですが、実はそれ以外でも墓参りシーズン、日本ではお盆といった時期に冥銭が行われることがあります。

清明節の墓参シーズン、先祖に送る「冥銭」で鉛中毒になる市... - Record China

中国メディアによると今年4月、『清明節』という日本で言う春のお彼岸の3連休に体調を崩し病院に訪れる患者が多くなったと報じられています。記事によるとその病院の1つ浙江省杭州市、赤十字会病院職業病科では来院した患者の多くが鉛中毒と診断されました。様々な原因で鉛中毒になるのですが、実はその原因は清明節で焼かれた冥銭の煙を吸った事による中毒であることがわかったそうです。

▼中国で売られている冥銭(紙銭)
冥銭

▼焼かれる冥銭
冥銭_2

燃やされた冥銭は本物のお金(紙幣)ではなく印刷された紙なのですが、一部に冥銭はカラフルに彩られており銀色の模様には鉛箔、塗料にも鉛が含まれることが多いといいます。結果、鉛入りの冥銭が燃やされることで大量の酸化鉛が発生し、墓参りした家族や墓場の作業員らが中毒になってしまったとのことです。