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中国メディアによると、先日北京市や上海市など都市部を中心に善行奨励法という法律が成立したと報じられています。これは困っている人を見かけたら手を差し伸べるという行為を奨励する内容となっているのですが、実は差し伸べた人を保護する内容も含まれているといいます。

2017年4月2日、参考消息網によると、中国各地で“善行奨励法”が成立している。2011年10月、広東省仏山市で何ともいたましい事件が起きた。2歳の少女、王悦(ワン・ユエ)ちゃんが交通事故にあったが、通行人は見て見ぬふり。監視カメラに残された画像から18人が助けようともせずに通り過ぎたことが明らかになった。

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 困っている人がいたら手を差し伸べるというのは人によっては勇気のいることですが、中国では異なります。中国では手を差し伸べた結果「お前が犯人だ」などと逆に訴えられ裁判になるという彭宇(ポン・ユー)事件が複数確認されており『触らぬ神に祟りなし』と言わんばかりに人が倒れていても訴えられる恐れがあるため手を差し伸べる人は多くはないといわれています。

▼訴えられる恐れから老人を助けようとしない市民。小中学生でも徹底されている。(2011年10月重慶市)
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そこで中国政府は善行奨励法を施行し意識を変えようとしているといいます。具体的には救助した人を表彰する仕組みが設けられ、人助けした結果、逆に難癖をつけられ訴訟に発展した場合では保険会社が無料で支援することなどが盛り込まれているといいます。

中国共産党中央委員会の機関紙『人民日報』によると2015年1~9月の期間のうち転倒した人を救助した側を『加害者』だと主張され慰謝料や治療費などを求められたケースを149件確認しています。そのうち32件は実際に救助するなどして手を差し伸べた人、他の84件に至っては監視カメラ映像などから接触自体が存在しないという無実の人が訴えられていたケースとわかりました。