ディープスペースゲートウェイ

アメリカが進めている火星有人探査計画。航空宇宙大手ボーイングは宇宙空間に展開する居住スペースとして『ディープ・スペース・ゲートウェイ』、及び人類や探査機器を火星に送るという『ディープ・スペース・トランスポート』を発表しました。

現在NASAがすすめる、火星の有人探査計画。そのための打ち上げロケットの開発も行われていますが、それに合わせてボーイングは月や火星を探査するための宇宙基地「Deep Space Gateway」や探査船「Deep Space Transport」のコンセプトを発表しました。

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今回ボーイングが発表したものはNASAが行っているNEXTStepパートナーシッププログラムで出された1つの案に過ぎず、今後行う火星有人探査計画で採用されたものではありません。その上で、ボーイングによると『ディープ・スペース・ゲートウェイ』という小型の宇宙ステーションを月と地球の重力が釣り合う位置に設置し、ここから火星へ向かう『ディープ・スペース・トランスポート』を発進させ有人火星探査を行うという案です。

▼ディープスペースゲートウェイ(中央)
ディープスペースゲートウェイ_1

詳細は不明なのですが、小型宇宙ステーション『ディープ・スペース・ゲートウェイ』は火星以外も宇宙でしかできない研究や月探査に利用できる総合的な研究施設になります。更にこの施設にドッキング可能な『ディープ・スペース・トランスポートビーグル』という機体を新たに開発。人類を火星地表に送り届ける着陸機を運搬する以外にも、火星探査車や物資を送る機体として運用するとしています。

▼ディープ・スペース・トランスポート
ディープスペーストランスポートビーグル

NASAはオリオン宇宙船を使用し有人火星探査や深宇宙探査を行うとしていたもののボーイングとしてはライバル企業ロッキード・マーティンが開発しているオリオン宇宙船を使わない方針です。つまりディープ・スペース・ゲートウェイまでの宇宙飛行士輸送手段としてオリオン宇宙船は使用するものの、それ以上の有人ミッションはディープ・スペース・トランスポートで実施するという考えのようです。