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カニといえば川や海でしか生きられないと思いがちですが、なんとインドで発見された新種のカニは生涯のほとんど木の上で過ごすといいます。いったい彼らはどのようにして陸上で生き続けているのでしょうか。

驚くべき新種のカニが見つかった。高い木のくぼみにすみ、樹上で植物の種や這う虫を探して食べるカニだ。人の手のひらにちょうど収まるほどの大きさで、木にいるとよく目立つ青黒い色をしている。

「カニ・マランジャンドゥ」と名付けられたこのカニが見つかったのは、インド南部、西ガーツ山脈の森の中だ。新種だけでなく、まったく新しい属でもあることがわかり、このカニの存在に気づいた「カニ」族という部族の名前と、木に登るカニを指す現地の言葉「マランジャンドゥ」から名付けられた。

NATIONAL GEOGRAPHIC
インド西側にそびえる世界自然遺産の1つ『西ガーツ山脈』で発見されたのは『カニ・マランジャンドゥ(Kani maranjandu)』という新種のカニです。実はこのカニ、他のカニにはない非常にユニークな特徴があります。なんと生涯のほとんどを木の上で過ごすというものです。

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Photo: Dr A Biju Kumar
カニといえばエラ呼吸なのですがいったいどのようにして木の上で呼吸をしているのでしょうか。このカニを発見したインド、ケララ大学教授のA・ビジュ・クマール氏によると木のくぼみに溜まった水の中で生き続けているといいます。カニは生まれたあと体が小さいころは木のてっぺん付近、地上10mほどの高さ(3階建てマンションほどの高さ)のくぼみで暮らしているそうです。

このカニは他のカニよりも甲羅が大きい特徴があります。クマール氏によると呼吸に必要な水分を体に沢山蓄えるためだと説明しています。また、木のくぼみに水がなくなったら他の木に移り水を見つけるという行動をとるそうです。
また教授によるとこの種のカニは環境適応性が高く生存率を高めるため木の上で生き抜く独自の進化をしたのではないかと話しています。