SLS

NASAが運用し最終的に火星まで人類を送る計画として開発されているロケット『スペース・ローンチ・システム(SLS)』及び有人宇宙船『オリオン』について、初の打ち上げミッションEM-1の実施を2019年以降に延期したと報じられています。

海外メディアによるとアメリカ会計検査院が公表した資料としてNASAが2018年11月に再延期していたSLSによるオリオン宇宙船の初打ち上げミッション『Exploration Mission 1(EM-1)』について、再度2019年に延期したと報じています。
EM-1については当初2017年12月に実施すると予定されていたものの最近では無人打ち上げから有人打ち上げに変更したことを受け2018年11月に延期されていました。

НАСА намерено перенести первый полет ракеты SLS на 2019 год
NASA: オリオン有人宇宙船によるEFT-1ミッションを2018年から2019年に延期 - Business Newsline

▼EM-1の打ち上げイメージ


今回の延期の理由については3つあるとしており、まず欧州宇宙機関(ESA)が製作しているオリオン宇宙船のサービスモジュールの開発が遅れていること、さらにSLSのコアステージの数カ所から溶接強度に問題があること。そして打ち上げシステムを支える地上の支援システムに問題が生じていることが挙げられています。ただ今回の延期については無人から有人打ち上げに変更されたことで技術的にも間に合わないと当初から指摘されていました。

問題となっているロケット、SLSは国際宇宙ステーションが周回しているような低軌道へ最大130トンの打ち上げ能力を誇るロケットです。ロケットの基本的な構成つまりメインエンジンや燃料タンク、補助ロケットブースターはスペースシャトルの打ち上げシステムを流用・改良したものとなっています。

EM-1で打ち上げられるのはSLS Block 1
SLS