スペースシップ・ツー

アメリカ、メキシコ州に本社を置くヴァージン・ギャラクティックは2018年の宇宙旅行を目指し開発しているスペースプレーン『スペースシップ・ツー』2号機を使用した初の大気圏再突入システムの動作試験を行なったと報じられています。

民間宇宙旅行を目指すヴァージン・ギャランティック社の「スペースシップ・ツー」が、再突入システムを利用した初飛行に成功しました。カリフォルニア州のモハーヴェ空港にて行われた、今回の飛行試験。母艦となる「ホワイト・ナイト・ツー」に吊り下げられたスペースシップ・ツーは5万1000フィート(約1万5500メートル)上空から、4回目となるグライダー飛行を実施したのです。なお、再突入システムは2014年の機体事故以来のテストとなります。

sorae.jp
イギリスのヴァージン・グループCEO、リチャード・ブランソン氏により設立され宇宙旅行の実現を目指し試験が進められているのはスペースシップ・ツーという宇宙船です。スペースシップ・ツーの打ち上げは母機となるホワイトナイツーに爆弾のように吊り下げっれた状態で上空まで運ばれ、空中投下。そのごロケットエンジンを点火し高度100km以上の宇宙空間を目指します。



今回行われた試験とは100kmに到達した後、大気圏再突入時に行なわれるもので翼を90度近く上にあげエアブレーキとして動作させ機体の安定を保つというものです(フェザリング)。

▼フェザリング動作時の翼の角度
フェザリング

同社は2007年7月にエンジンテスト中による爆発で技術者3人が死亡する事故が、2014年10月31日には初号機となるスペースシップ・ツーで飛行試験が行われた際にパイロットの操縦ミスによりフェザリングを動作させたことで空中分解し副操縦士が死亡するという事故が発生しています。

同社は2018年に商業宇宙旅行を目指すとしているものの2010年以降より行なわれているスペースシップ・ツーを使用した試験飛行では未だに高度100kmを達成できておらず残り1年あまりで十分な試験飛行を繰り返せるのか、飛行の安全性を証明できるのかは疑問があります。

▼ヴァージン・ギャランティックが行う飛行内容
ヴァージン・ギャランティックによる飛行計画