スカイロン_1

イギリスのリアクション・エンジンズは通常の滑走路から宇宙に飛び出すことができる純スペースプレーン「スカイロン」に搭載されるセイバーというエンジンについて、その燃焼試験を行う施設の建設を開始したと報じられています。

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独自の複合サイクル型ロケットエンジン「SABRE」による次世代ロケットの開発を進めているイギリスのReaction Engines社が、本格的なロケットエンジンの燃焼試験施設の建設作業に移行したことが同社の発表により明らかとなった。SABREの燃焼試験施設は、英バッキンガムシャー州ウエストコットに建設が進められているもので、運用開始は2020年となる予定となっている。

Business Newsline


リアクション・エンジンズが開発しているのはスペースシャトルのように補助ロケットなどを必要とせず、さらに旅客機と同様に地上から水平に離陸し宇宙空間から帰還するという純スペースプレーンです。この機体は『スカイロン』と名付けられ現在開発が進められています。

一方で最も困難になるエンジンはSynergetic Air Breathing Rocket Engine(SABER、セイバー)というものでロケットエンジンとジェットエンジンをあわせたようなものとなっており、単一のエンジンで0km/hからマッハ25(30,600km/h)の速度まで、つまり地上から宇宙空間まで単一エンジンで燃焼・加速できるという革新的な仕様となっています。

今回バッキンガムシャー州にエンジンの燃焼試験を行う施設の建設が決まったということでセイバーエンジンの開発は順調に進んでいると考えられ、スペースプレーン「スカイロン」の開発も進んでいくものと考えられます。

スカイロン

スカイロン
▲③の赤い部分が液体水素の燃料タンク、青の④が液体酸素の燃料タンク、中央の⑤が衛星を収めるスペースになります。

1989年に設立した民間企業リアクション・エンジンズが開発を進めているスカイロンは大気圏内では機内に搭載された液体水素と大気中の酸素を燃焼させマッハ5.4まで加速。その後ロケットモードに切り替え同じく機内に搭載した液体水素と液体酸素を燃焼することで地球軌道に乗る速度にまで加速することができる仕様です。

この速度を実現させるセイバーエンジンの開発については1/20秒未満で1000度からマイナス150度にまで冷却させる必要があるなど困難な技術開発が必要です。しかし、エンジン自体は理論上開発可能といわれておりイギリス政府や欧州宇宙機関ESA、さらにイギリスの大手軍需企業BAEシステムズが出資するなどし開発が進められています。

スカイロンの仕様としては国際宇宙ステーションが周回しているような地上400kmの低軌道に最大11トンの貨物を運ぶことができ、貨物スペースを改造することで一度に30名まで宇宙空間に送り届けることが可能としています。またスカイロンの旅客機版となる機体『リミテッド A2』の開発が伝えられており、エンジンはセイバーエンジンを改良したシミターエンジンが搭載される予定です。
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