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今年夏の初打ち上げを予定しているのはスペースXが開発した大型ロケット「ファルコンヘビー」です。先日そのコア機体となる中央ロケットの燃焼試験が初めて実施され成功したと発表しています。

国際宇宙ステーションが周回しているような低軌道への打ち上げでは最大53トンの打ち上げ能力を誇るのはスペースXが開発しているロケット「ファルコンヘビー」。同社は現在ファルコン9ロケットを運用しており人工衛星の打ち上げから国際宇宙ステーションへの物資の輸送を行っているのですが、開発中のファルコンヘビーロケットは大質量を軌道に載せる以外にも月や火星の探査機を送り込むことができる仕様となっています。


ファルコンヘビー



▼ファルコン9とファルコンヘビーの違い
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ファルコンヘビーの形状は『ファルコン9ロケット』+『ファルコン9の第一段目を2つ』という構成になっています。ただ、ファルコンヘビーの中央つまりコア機体についてはファルコン9ロケットのものとは若干仕様が異なっているとされています。
特にエンジン『マーリン1D』に関して1基あたりの推力が620kN(つまり初期型となるファルコン9 v1.1ロケットに搭載していたもの)から690kNに拡張したものをコア機体に9基搭載し、さらに補助ロケットとなる両側も同様のエンジンを搭載し合計27基構成で打ち上げるとしています。このエンジンに関しては現在運用されているファルコン9フルスラスト(FT)のものと同等のものなのかは不明です。

ロケット比較

ファルコンヘビーロケットは『超大型重量貨物打ち上げ機』に分類されている大型ロケットで現在世界で運用されているロケットのおよそ2倍以上の打ち上げ能力があるという規模となっています。

現在同社は今年夏にファルコンヘビー初号機を打ち上げ、2017年後半には米空軍のスペーステストプログラム2により打ち上げが計画されています。また来年以降には通信衛星の打ち上げを行いさらにドラゴン宇宙船を搭載し民間人2名による月宇宙旅行の実施を計画しています。(参考)
そして2020年頃にはNASAと協力しレッドドラゴン計画を実施します。これはドラゴン宇宙船の改良型『レッドドラゴン』を火星に送り込みロケットの燃料メタンを生産する機械などの試験を行うもので結果次第で2024年頃に初の有人火星探査を行う予定です。