地震

大地震の前に生物が不可解な動きをするという宏観異常現象というものが知られています。もちろん中国でも同様のことが信じられているのですが、先日河南省でカエルが大移動する様子が確認され、近いうちに大地震が発生するという噂が広まっていると報じられています。

2017年5月11日、中国河南省の地震当局はこのほど、同省の駐馬店市や南陽市を震源とする大規模な地震が2カ月以内に発生する可能性があるとする情報がネット上で拡散していることについて、「科学的根拠のないデマだ」と認定した。大河網が伝えた。

Record China
中国のネットユーザーの間で最近拡散されているのは大地震が発生する宏観異常現象が確認されたというものです。記事によると拡散されている内容は『中国地震局』が発表したと主張するもので河南省南陽市で4月27日、大量のカエルが大移動している現象が確認され今後2ヶ月以内にM7.3~8.0の大地震が発生する可能性があると予報を出したというものです。

中国メディアによると、当局はこの内容はデマであるとして最初に発信したと考えられる湖北省の人物を既に特定しており現在身柄を拘束しているとのことです。

実は中国では毎年のように「カエルが大移動した」という内容が出回り大地震が発生するということが言われています。生物的な宏観異常現象について記事でも書かれているように中国では2008年5月に発生した四川大地震の前に大量のカエルが一斉に移動したという様子が目撃されていたことが発端となっていると考えられます。
また他の生物的な例として、2012年に雲南省と四川省の堺で発生したM5.7の地震で「地震の数日前はずっと雨だったが、ネズミの大群が外に逃げ出すのを見た」「馬が暴れて小屋に入ろうとしなかった」など震源に近い村民らが証言していることが明らかになっています。(参考)

この時期にカエルの大移動が多く報告される理由について、中国地震局は「おたまじゃくしがカエルに成長するシーズンと重なっているため」と説明しています。ちなみに先日新疆ウイグル自治区で発生したM5.5の地震については河南省と3,000km以上(河南省と東京都以上)離れており少なくとも宏観異常現象とは無関係と考えられます。