エレクトロンロケット

アメリカの民間企業『ロケット ラボ』が開発したエレクトロンロケットに関して、近日初打ち上げを実施すると報じられています。このロケットはエンジンを3Dプリンタで作り軽量化するなど工夫することで1機あたり5億円という打ち上げコストを実現しています。

ロシアの航空宇宙専門サイト『Космическая лента』によると、米民間宇宙ベンチャー「ロケット ラボ」が開発を続けてきたロケット「エレクトロン」に関して高度300~500kmの楕円軌道を周回する初の打ち上げを近日実施すると報じています。このロケットはニュージーランドに建設された民間宇宙基地から発射され、これが成功すれば世界初の民間宇宙基地の誕生となります。

Rocket Lab готова к первому пуску ракеты Electron



エレクトロン ロケットは全長およそ17m、直径1.2mという小型ロケットです。ロケットは一般的な二段構成となっており第一弾ロケットは推力192kN(真空)の出力のある9基のラザフォードエンジンを燃焼させます。上段となる第二弾ロケットにはラザフォードバキュームエンジン(推力22kN)を1基搭載しています。

打ち上げ能力は地上500kmの太陽同期軌道に150kg、または国際宇宙ステーションが周回しているような地上500kmの低軌道に225kgとされており1機あたり約490万ドル、約5億5000万円のコストで打ち上げる予定です。
コストパフォーマンスは単純計算で地上500kmの高度で1kgあたり244万円となりロシアのロコット(約180万円)よりも高く、ESAのベガ(約280万円)やイプシロン試験機(約442万円)よりも安いという微妙な価格となっています。

▼ラザフォードエンジン
ラザフォードエンジン

このロケットに搭載されているラザフォードエンジンは3Dプリンタで作られており燃焼室に燃料を送り込む装置は40,000 rpmで高速回転する『ブラシレスDCモーター』および『リチウムポリマー電池』で構成し、世界で初めて採用し電動駆動により稼働するエンジンとなっています。そのため余計な配管を必要とせずエンジンの軽量化を実現しています。