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扉を開けたら床がないビルの外だったという例は日本でも報告され過去には死亡事故も発生しているのですが、同様の事故が相次いでいるのは韓国です。韓国では事故を受け法改正が進んだものの改善は進んでいないと報じられています。

2017年5月17日、韓国・中央日報は、韓国で建物の非常扉を開けた人が転落する事故が相次ぎ起こっている実態を報道、現行の法制度にこうした事故の遠因があると説明した。

4月30日、江原(カンウォン)道の街・春川(チュンチョン)市に暮らす58歳のキムさんが、友人らと酒を飲み出掛けたカラオケ店2階の非常口から転落する事故があった。

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街にある雑居ビルの側面に扉が存在しているのを目にしたことはないでしょうか。調べてみるとこの扉は過去に存在していた隣のビルと繋ぐ渡り廊下として設置されていた例や大型の機材を搬入するためにあえて作られたというものもあるそうなのですが、韓国ではこのような高所に設置された扉から転落死する事故が相次いでいると報じられています。

記事によると、今年4月末にあった2階の非常口とされた扉から転落した事故では結果的に死亡している他、2015年には男性2人が4階からそれぞれ転落し1人が死亡、1人が大けが。2016年にはカラオケ店で20代の女性が2階から転落し死亡しているとしています。

日本に比べて明らかに頻度が多いという印象があるのですが韓国では多くの人が利用するカラオケ店などでは避難器具設置が義務付けられており非常扉外に『はしご』や体に装着し地上に降りる装置の設置が必須だとしています。しかし、非常口の外に階段を設置したり転落しないよう手すりを設置する義務はなく結果的に事故が相次いでいるといわれているそうです。

これを受け韓国政府は2016年10月に法律を改正し非常口が開けられた警報音がなるようにしたり転落防止用のロープを設置する義務を付け加えたものの既に営業している店については勧告でしかないとしています。

そもそも非常識な扉をビルにつけることが許されているというのが根本的な問題であると考えられるのですが、韓国ではこれ以外も非常口を示すマーク『非常口誘導灯』がまともに設置されていないことも明らかになっており、再び同じ場所に戻ってきてしまうというものや建物の中に誘導されるなど調査が行われた映画館では6割に安全対策に問題が指摘されていました。(参考)