XS-1

アメリカ国防高等研究計画局、DARPAが再利用可能型スペースプレーンとして開発計画を進めてきた『XS-1』という機体についてボーイングの開発計画が認められ数年以内に試作機を開発し飛行テストを実施すると報じられています。

DARPA(アメリカ国防高等研究計画局)は5月24日(現地時間)、スペースプレーン実験機「XS-1」の製造を米ボーイングが担当すると発表しました。XS-1は従来型のロケットとは異なり繰り返し使え、さらに迅速な人工衛星の打ち上げを目指しています。現在の目標は、地球低軌道に1,360kgのペイロードを10回/10日というペースで投入すること。

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2013年11月にアメリカ国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)はExperimental Spaceplane (XS-1)計画として国際宇宙ステーションが周回しているような地球低軌道へ人工衛星などを効率的に投入することができる機体開発を発表しました。

この機体開発について当初『ボーイングとブルーオリジン』、『マステンスペースシステムズとXCORエアロスペース』そして『ノースロップ・グラマンとヴァージン・ギャラクティック』の3つの企業連合が開発計画案を発表していたのですが、DARPAはボーイング案を採用することになったとしています。



記事にも書かれているとおり、XS-1の使用はこれまでのどのスペースプレーンにも当てはまらいスペックを要求しており同じ機体を使用し10日間に10回の打ち上げが可能で地球低軌道の宇宙空間に1360kgの質量を打ち上げる性能があり、1回あたりの打ち上げコストは50万ドル(約5億6000万円)以下に抑える必要があります。

XS-1がどのくらいの性能を要求されているのか簡単に比較すると、打ち上げコストについては先日打ち上げられたエレクトロンロケットとほぼ同様なのですが打ち上げ性能は地球低軌道に225kgとなっておりコストパフォーマンスはXS-1のほうが6倍ほど優れるということになります。またエレクトロンロケットは完全使い捨てで10日間に10回の打ち上げというのは設計上不可能です。

ボーイングが計画している機体は『ファントム エクスプレス』などと名称で呼ばれており、搭載されているエンジンは企業連合を組むブルーオリジン製とされていたのですがブルーオリジンとの連合は既に解消されているらしくエアロジェット・ロケットダインと組み直し同社のAR-22に変更されたとしています。同機は2019年までに試作機を開発し2020年5月には宇宙空間への初打ち上げを実施する予定とのことです。