天宮宇宙ステーション

中国が2022年の完成を目指し現在関連する試験を続けている天宮宇宙ステーション建設計画について、このプロジェクトが全面的に始動したと報じられています。

中国初の宇宙飛行士である楊利偉氏は、世界宇宙探査大会2017の席上で、「中国の宇宙実験室任務の順調な遂行に伴い、中国有人宇宙ステーションプロジェクトが全面的に始動した。中国有人宇宙ステーションは、2022年頃に軌道上で組立を終え稼働開始し、大規模な宇宙科学実験・技術試験を展開する予定だ」と話した。北京日報が伝えた。 

Record China
中国有人宇宙プロジェクト弁公室副主任の楊利偉氏によると建設される宇宙ステーション『天宮』(てんきゅう)は、宇宙ステーションの構造は居住区となるコアモジュール「天和」の先端に2つの実験モジュール「实验舱I(問天)」及び「实验舱II(巡天)」を接続したT字形状になります。この形状これまで報じられていたものと全く同じものです。

天宮は国際宇宙ステーションと似た高度約340~450kmを周回し軌道の傾斜角は42度、設計寿命は10年としています。また定員は宇宙船の定員と同じ3名で半年間の宇宙滞在を目指します。記事によると2つの実験モジュールでは宇宙生命科学・生物技術、微小重力流体物理・燃焼科学、宇宙材料科学、微小重力基礎物理など宇宙科学実験が行えるとしており今後口径2mの宇宙望遠鏡を設置することも可能としています。

▼中国の宇宙ステーション(画像は補給船『天舟』と有人宇宙船『神舟』がドッキングしているもの)
天宮宇宙ステーション

コアモジュール「天和」の組み立ては2016年に終えおり現在運用に向けたテストが行われている段階で打ち上げは2018年に実施予定としています。また全体が完成するまでに少なくとも4回の有人宇宙飛行を行うとしており最終的に2022年の完成を目指します。