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アメリカの民間企業、スペースXが運用しているファルコン9ロケットについて現在打ち上げ能力向上型となる3回目の改良モデルであるファルコン9フルスラストを運用しているのですが、来年にも同ロケットとしては最後となる改良型を初打ち上げすると報じられています。

順調に再利用ロケットの打ち上げを続けるスペースX社ですが、今年から来年にかけてまた大きなジャンプアップを果たします。同社は「ファルコン9」ロケットの最終デザインとなる「ブロック5」を年内に、そして大型ロケット「ファルコン・ヘビー」を18ヶ月以内に3機打ち上げることを再度確認しました。

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スペースXが現在人工衛星や国際宇宙ステーションへの物資打ち上げを行っているのはファルコン9フルスラストというロケットです。ベースとなったのは2010年6月に初打ち上げが行われた『ファルコン9 v1.0』というものになります。
それから3年後には2013年9月には全長の延長やエンジンの出力アップや配置を置き換えた初改良型となる『ファルコン9 v1.1』が打ち上げられ、2015年12月らは更にエンジンの性能を向上、低温の燃料を使用した他、着陸装置を搭載した『ファルコン9フルスラスト』(事実上のBlock3)が運用されてきました。

▼ファルコン9フルスラストの打ち上げから回収まで


記事によると、最終モデルは『Block5』というモデルになるとしているのですがファルコン9フルスラスト(Block3)とBlock5の間、つまりBlock4についてはBlock5への移行モデルになると予想されます。

ファルコン9 Block5

ファルコン9シリーズとしては最終改良型となるBlock5はどのようなロケットになるのかは性能は明らかになっていないのですが、予定では来年末の打ち上げを目指し開発が進められているとしています。注目の改良点は10回以上の再利用が可能な機体、そして時間とコストの掛かる整備を極力抑えた真の再利用ロケットとして生まれ変わるとしています。加えてエンジンの推力、着陸機構の改良も加えられているとしており同ロケットとしては最大限のパフォーマンスを発揮できる型になると言われてます。

日本のH-2シリーズを超える打ち上げ能力

ファルコン9FT
▲ファルコン9フルスラスト

ファルコン9ロケットとは具体的にどのような性能差があるのかという点について単純な比較は難しいのですが実は現在のファルコン9フルスラストの段階で既に日本のH-2A及びH-2Bロケットの打ち上げ能力を超えていると言われています。

これは国際宇宙ステーションが周回している軌道にどれだけの質量を送り込むことができるのかというカタログ上のスペックがあるのですがH-2Aでは15トン、H-2Bで19トンあまりとされているのですがフルスラストでは22トンとなっています。
また打ち上げコストは日本のロケットは100億円以上とされているのですがフルスラストでは再利用ではないタイプでも60~70億円とされておりコストに関してもスペースXのロケットの方が低く抑えられているという特徴があります。