火星

アメリカが有人着陸を目指している火星。2020年~30年代にも行なわれると言われていますが、火星地表について地球上の微生物はまともに生き抜くことが難しい環境になっていると報じられています。

NASAやESAその他宇宙機関が火星を目指す計画を立て、2015年には火星に水が存在する可能性が高まったことから、最近では火星移住計画も荒唐無稽な話ではないという感覚になりつつあります。ところが、最新のScientific Reportsに掲載された論文では、火星に土壌成分には細菌レベルでも生命が存在できないほどの毒性があると報告されました。

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赤茶けた大地が広がる火星。一方で2015年にNASAは特別記者会見を開き現在の火星でも地表に液体の水が流れていると発表しています。何らかの微生物が今も火星に生きていてもおかしくはないと考えてしまいますが、実は火星で生物が生きるにはかなり厳しい環境が広がっているという論文が発表されています。

一次研究論文を掲載するオープンアクセスの電子雑誌『Scientific Reports』に掲載された論文として記事によると、スコットランド・エディンバラ大学の研究者が行なった研究では1970年代、バイキングによる調査で火星の土壌調査で『過塩素酸塩』が含まれていることが分かっているといいます。
これは殺菌消毒液オキシドールの成分でもあり、この土壌成分に地球上の生物を含ませ観察したところ火星地表の紫外線に晒された場合に比べ2倍の速さで死滅。加えて酸化鉄や過酸化水素も火星には土壌に含まれており、過塩素酸塩を除いてこの土壌環境下で微生物を観察したところ11倍の速さで死滅していったといいます。

その上で、このような環境に晒されないようするためには土壌のかなり深いところに行く必要があるとしており私達が想像するよりも微生物にとっては過酷な環境が広がっていると指摘しています。

微生物といっても田んぼにいるようなものから人間が生きていくことができない強い放射線や高温・低温でも容易に繁殖できる微生物も存在しています。
そのため火星環境下に適応した未知の微生物が繁殖している可能性はゼロではなく、逆に考えれば火星の微生物にとっては地球の環境の方が逆に有害である微生物が存在している可能性もあります。