火星-14

近年北朝鮮が長距射程の弾道ミサイルを急速に進歩させている件に関して、実は北朝鮮が何らかの方法で旧ソ連製のロケットエンジンRD-250を入手し、これを改良している可能性があると報じられています。

国際戦略研究所(IISS)によると、今月14日に発表した資料として北朝鮮によると弾道ミサイル開発についてその性能を大幅に伸ばした理由について旧ソ連、現在はウクライナで製造されたRD-250(РД-250)を入手し改良してたことが理由だと説明しています。

The secret to North Korea’s ICBM success | IISS

RD-250は1967年に開発され液体燃料ロケットエンジンで、旧ソ連では大陸間弾道ミサイルR-36、NATOネームSS-9 スカープのメインエンジンとして運用されていたものです。R-36ではさらに1基で2つの燃焼室のあるRD-250を3基搭載していました。

RD-250もしくはその改良型は2016年9月、2017年3月に北朝鮮が行ったエンジンの燃焼試験のものがそれにあたると考えられており、その理由はエンジンの横についているターボポンプ等の形状、また配置が似ているためだとしています。

このエンジンを搭載したと考えられる弾道ミサイルは2017年7月4日及び28日に発射した火星-14がその1つで、1つの燃焼室を設けたRD-250と4つのバーニアスラスタを搭載した改良型が使われたとしています。

参考:北朝鮮の新型エンジン、中距離弾道ミサイル用のエンジンか : ZAPZAP!

▼北朝鮮が2016年9月に行ったエンジンの燃焼試験
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▼RD-250 中央にあるのがターボポンプ
RD-250

どのようにしてこのエンジンや技術が北朝鮮に渡ったのかは現在のところ明らかになっていないのですがウクライナ側は北朝鮮に軍事技術を提供したことはないとしており、アメリカ側はも外国人科学者及び北朝鮮人がロケット技術を得て持ち帰ったものであり、ロケットは国内で製造されたものだと見ています。