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2ヶ月後の打ち上げを目指し試験が続けられているのはファルコンヘビーという超大型重量貨物打ち上げ機です。ロケットを開発しているスペースXはコアロケットの燃焼試験を行い成功したと発表しています。

アメリカの民間宇宙企業スペースXによると、今年11月に打ち上げを予定している超大型ロケット『ファルコンヘビー』について第一段となるコアロケットの燃焼試験を実施したと発表しました。

ファルコンヘビーの形状は『ファルコン9ロケット(コアロケット)』+『ファルコン9の第一段目を2つ』という構成になっています。コアロケットの第一段目の試験は今年5月にも実施しており今回で2回目の試験となりました。


ファルコンヘビーは今年初旬、少なくとも5月の段階では国際宇宙ステーションが周回しているような高度400kmへの物資打ち上げ能力は54トンあまりとされていたのですが、今は14万ポンド(63.8トン)に大幅にアップグレードされています。

ファルコンヘビーに搭載されているエンジンやロケットに関してもファルコン9ロケットのものが転用されていると考えられこれまでの仕様ではファルコン9 v1.1ロケットに搭載されていた1基あたり620kN程度のマーリン1Dエンジンで計算されていた数値と思われます。しかし、スペースXの公式サイトによると1基845kN(海面)にアップグレードされたファルコンヘビー・マーリン・エンジンというものが搭載されているとしており結果的にファルコンヘビーの打ち上げ能力が大幅に向上したものと考えられます。

▼ファルコンヘビー・マーリン・エンジンの燃焼試験
ファルコンヘビー・マーリン・エンジン

この63.8トンという打ち上げ能力はスペースシャトルの2.6倍、プロトンMの2.8倍、日本のH2Bロケットの実に3.8倍に匹敵し、現在地球上で運用されているどのロケットよりも高い打ち上げ性能を示しています。

ファルコンヘビー

この規模のロケットを民間企業が運用しようと開発を進めていることに驚くばかりなのですが同社は来年以降、2人の民間人を載せファルコンヘビーを打ち上げ月周回旅行を計画している他、ロケットの改修、再利用など世界のロケット開発より頭一つ出た技術を誇っています。