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今月、北朝鮮の労働新聞は核兵器を使用したEMP攻撃に関する記事を掲載しました。これを受け日本を含め国内外で『EMP』について多く報じられることとなったのですが、今一度どのような被害が発生するのか紹介していこうと思います。

北朝鮮の核実験後に初めてEMPという言葉を知ったという方も多いと思うのですが、核兵器によりEPMが生じると私達にどのような影響があるのでしょうか

EMPとは日本語では「電磁パルス」呼ばれており、身近なものでは雷により発生し人工的には核兵器を地上付近ではなく宇宙空間で爆発させることで発生することが知られています。EMPが直接的に被害を与えるのは電化製品など電子パーツを搭載した装置です。そのため仮に日本上空で核兵器が炸裂しEMPが発生したとしても私達生物には直接影響は出ないとされています。

EMPが発生すると例えば電源ケーブルやアンテナ、端末内の配線などに高電圧・高電流が流れます。それらが接続されている様々な電子パーツに流れることで結果的に端末を一時的に使用不能にしたり電子機器を完全に破壊したります。
これらは大小問わず様々な電化製品に影響を与えテレビからラジオ、スマホ、PC、時計、給湯機、調理器、洗濯機、掃除機、空調など、乗用車や電車といった乗り物や発電施設や上下水道まで。また電子取引されるようになった金融にも及ぶとされ、バックアップされたものですら抹消する可能性があるとされます。

問題は核兵器の爆発により発生するEMPが広範囲に及ぶことです。たった1発の核兵器で日本本土全域、アメリカ本土全域に深刻な影響を与えることができるとされます。その被害は先程紹介したとおりで食糧などの物資を運ぶトラック、船、航空機、これらに燃料を供給するシステム、病院であれば人工呼吸器なども含まれ衛生環境の悪化や食糧不足などの影響で間接的そして時間をかけて人間を殺戮します。

EMPから電化製品を守る方法はあります。例えば密閉されたコンテナであればその内部に収められた電化製品は使えるかもしれないと言われており、そもそも電子化されていないものであればそのまま使うことができます。例えば車であっても相当古いものであれば影響なく使用することができるとされています。

個人では鉄製の箱に収める方法が最も効果的と考えられ市販されているEMP専用のフィルムに包むことで守ることができるとされています。PCやスマホに記録されている大切な電子データについてはCDやDVDといったものに保存したほうがよいとされている他、海外のクラウドと呼ばれるオンライン上のデータ保存サービスを複数利用するという手もあります。


アメリカやその同盟国である日本や韓国に対し北朝鮮がEMP攻撃を行った時点で報復による核攻撃が直ちに実施される可能性があり北朝鮮という国やそこに住む多くの国民の最後の時になることは容易に想像できます。それでも北朝鮮が核兵器を使う選択肢を使うのかという点については様々な意見があるのですが異母兄や親族、その家族すらも消す人間が判断をしているという時点で可能性はゼロではないことは確かです。

参考:ブラックアウト事態に至る電磁パルス( EMP) - 防衛省防衛研究所