EBLM J0555-57Ab

夜空に無数に輝く星。火星や土星など太陽系内の以外は全て恒星になるのでが、ケンブリッジ大学の天文学者これまで観測された恒星のなかで最も小さいものを発見したと発表しています。そのサイズは僅か土星サイズしかありません。

ケンブリッジ大学の天文学者が、EBLM J0555-57Abと呼ばれる星が土星とほぼ同じぐらいの大きさしかない恒星であることを発見しました。このサイズだと星は恒星になり損なった"褐色矮星"になるのが普通ですが、この星の場合は熱核融合反応を起こすのに十分な質量、重力を備えていたため光り輝く恒星になれたと考えられます。

Engadget 日本版
南半球で観測できるがか座の方角、およそ630光年先で発見されたのはEBLM J0555-57 Aaを公転するEBLM J0555-57Abという恒星です。観測の結果、この恒星の半径は木星半径の84% 60,053kmしか無く大きさは土星サイズであることがわかりました。

▼左から木星、土星、EBLM J0555-57Ab、TRAPPIST-1A(トラピスト)のサイズ比較
EBLM J0555-57Ab_1

もちろん、木星や土星は太陽と同じ恒星ではありません。EBLM J0555-57Abとの違いはその質量です。EBLM J0555-57Abはサイズは小さいものの質量は木星の85倍あると考えられ、これは理論上核融合反応が起こるギリギリの数値だとしています。

TRAPPIST-1(トラピスト)星系の主星も木星サイズしかない天体と考えられておりその回りには地球サイズの天体が7つ公転していることが分かっています。記事によると「小さな恒星は地球のような大気圏を持つ惑星に最適な環境を作り出しやすいと考えられる」と語っており、これまで発見されていないだけで小さな恒星は夜空で輝く巨大な恒星のように無数に存在しているのかもしれません。