人工地震

人命また財産を一度に奪う地震。その多くは地球の地質活動に伴い発生する自然地震ですが、高層ビルの建設から核爆発、シェールガス・オイルの採掘などを進めたことで発生した人工地震について報告書が掲載されました。

Science Newslineによるとこの研究はオランダの石油・ガス会社『Nederlandse Aardolie Maatschappij』の資金提供を受けてダラム大学とニューキャッスル大学の研究者グループによって行われたものです。

induced earthquakes | induced earthquakes

これまで発生した人為的な理由による人工地震は地球の地殻に質量を加えたり逆に取り除くなど地質に力が伝わることで発生するとしています。その1つがシェールガス・オイルを採るために行われる『フラッキング』という方法です。フラッキングは化学薬品からなる液体を超高圧にして地下に送り込むことで岩盤を破壊するという方法になるのですが、研究によるとこれにより断層を活性化させているとしており結果的に地震を誘発たと指摘しています。
またこの時使用した廃液に関し再び地下に埋め戻すという作業に関しては最も典型的な人為的な人工地震の一つだとしており、アメリカで報告された地震の増加と廃液作業の増加が一致しているとしています。

参考:オクラホマ州で発生した地震は人工地震?シェール田を閉鎖停止命令 : ZAPZAP!
▼オクラホマシティを中心に2008年から2016年まで発生した地震を表したもの


また人工地震は例えば核爆発により誘発された例超高層ビルの建設で誘発された例もあるとしており、観測された中で最大の人工地震は2008年5月に発生したマグニチュード7.9の地震『四川大地震』と指摘しています。その発生原因は震源地から僅か25kmに位置し2006に完成した紫坪埔ダムの貯水が原因とのこと。

▼紫坪埔ダム。貯水量は黒部ダムの約6倍、11億1200万立方メートル
紫坪埔ダム

報告書によると二酸化炭素排出削減プロジェクトとして地熱エネルギーを取り出すなどプロジェクトや人口増加による大規模な建物の建設など今後も人工地震を誘発させる工事が将来的に増加する可能性が高いとも指摘しています。