エクソマーズプロジェクト

欧州宇宙機関(ESA)がロシアのロスコスモスと共同で進めているのは『エクソマーズ』という探査車を火星に送り込む計画です。既に2018年の打ち上げから2020年に延期されたプロジェクトなのですが現在どのような開発状況なのか紹介していきます。

ロシアの宇宙情報サイト『Космическая лента』はロシア宇宙科学研究所のダニエル・ロディオノフ(Daniil Rodionov)氏がインタビューに応じた内容としてエクソマーズプロジェクト全体の作業内容に関して報じています。

Текущее состояние разработки ExoMars-2020

それによると、探査機の打ち上げは2020年7月24日を予定しており仮にS・A・ラヴォーチキン記念科学製造合同が担当している機材の開発が遅れた場合であっても打ち上げ日を遅らせることは行うべきではないとし機材を搭載しない形でも予定日に発射するべきだとしています。


▼着陸モジュールに搭載された探査車『エクソマーズ・ローバー』
エクソマーズプロジェクト

ロシア宇宙科学研究所が担当している着陸モジュールはヨーロッパ最大の人工衛星開発企業タレス・アレーニア・スペースが最終組立を行うとしており組み立てられた着陸モジュールと搭載される探査車は2020年5月にロシアが管理するカザフスタンのバイコヌール宇宙基地に搬送される予定です。

着陸モジュールはエクソマーズ・ローバーを展開させその場で定点観測を行います。これには光、風速、温度、湿度、ダスト、マイクなど10以上の観測が搭載される予定で人類初となる火星の風の音を録音し地球に送信する予定です。着陸モジュールは原子力電池を搭載しており稼働時間は最大で1年を予定しています。

エクソマーズプロジェクトは当初2018年にも打ち上げられる予定だったものの「ヨーロッパとロシアの双方の科学調査装置による理由で、2020年の打ち上げがベストなタイミングでしょう」などの理由からに延期されています。

エクソマーズは『エクソマーズ2016』と2020年に延期されたこの『エクソマーズ2020』からなります。エクソマーズ2016では2020の予行として火星に着陸機スキアパレッリを送り込んだものの衝撃による着陸装置の誤作動が発生。火星の地表3700mから自由落下し地表に激突、探査計画は失敗しました。