SLS

火星有人着陸に向け計画が進めているアメリカ。現在、NASAが運用しボーイングが開発しているロケット『スペース・ローンチ・システム(SLS)』と民間のスペースXのロケットがあるのですが、国内で繰り広げられる火星着陸レースについてボーイングがコメントしています。

若干NASAが取り残されている気がするのはさておき、宇宙開発にも深く関わるボーイングのデニス・マイレンブルクCEOは「火星への有人探査競争で、イーロン・マスク氏が率いるスペースXに打ち勝つ」と高らかに宣言しました。

米メディアのCNBCのインタビューで「火星に最初に人を送るのはボーイングとスペースXのどちら?」と聞かれた同CEOは、「もちろん我々は火星に到達するが、それだけでなく火星に初めて足跡を残すのはボーイングのロケットに搭乗した宇宙飛行士だ」と語ったのです。

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アメリカ政府及びNASAは国際宇宙ステーション引退後の次なる宇宙開発として目指しているのは火星有人着陸です。現在、火星有人着陸についてアメリカ政府の強力な支援の元開発を続けている『スペース・ローンチ・システム(SLS)』、対する民間企業のスペースXのロケット『BFR』です。

現在の予定ではスペースXは早くても2020年代の中頃NASAは早くても2030年代に有人火星探査を実施する計画を発表しています。

スペースXに関してはNASAの計画の元発表されていた無人火星探査計画「レッド・ドラゴン」について観測機器を搭載した無人宇宙船ドラゴンを2018年にも打ち上げるとしていたものの2020年に延期。スペースXはこのような無人宇宙船を複数回火星に送り込み最終的には有人着陸を目指すとしていたものの現在、宇宙船の仕様変更もあり有人火星探査の具体的な道筋はたっていないと考えられます。また同社はBFRという超大型ロケットを使用した有人火星探査も計画されているのですが、こちらについてもロケット本体は開発されておらず初打ち上げはまだまだ先になると考えられます。

▼SLSを用いた有人火星探査構想(ボーイング)

一方政府の支援のもと国を挙げて開発されているSLS。このロケットについても不具合が見つかるなどして打ち上げが延期に延期を重ね現時点では2020年の初打ち上げを目指しています。SLSを用いた有人火星探査計画については現在のところボーイングが構想しているディープスペースゲートウェイという月軌道に小型の宇宙ステーションを作り、そこから火星へ向け発進するディープスペーストランスポートという宇宙船のようなものに乗り込み向かうことになります。

ちなみにボーイングは去年の今頃にも同じように「ボーイングのロケットこそが最初に人類を火星に到達させるだろう」と発言していました。