J-10

戦闘機など一部の機体に搭載されているのは推力偏向ノズルを搭載したジェットエンジンです。中国メディアによると中国空軍が運用する戦闘機『J-10』でこのエンジンを搭載した試験飛行が実施されたと報じています。

中国メディアによると2017年12月25日、中国で配備されているJ-10という軽戦闘機を使用し推力偏向ノズルを搭載したエンジンによる初飛行を実施し、これに成功したと報じています。

歼10推力矢量验证机首飞成功 歼20战机将会如虎添翼_高清图集_新浪网

J-10 推力偏向ノズル

こちらが推力偏向ノズルを備えたジェットエンジンです。詳細は不明なのですが、ロシアの軍用機で採用されている推力偏向ノズル機構と酷似していることから、その技術が使われているものと考えらます。搭載されたエンジンの形状からはロシアのAL-31シリーズの技術が採用されている可能性があります。

J-10 推力偏向ノズル_1

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J-10 推力偏向ノズル_2

軍用機における推力偏向ノズルを採用した戦闘機としてはアメリカ空軍ではF-22、ロシア空軍ではSu-34といったスホーイファミリー、また最新のステルス戦闘機 Su-57という機体でも採用されています。
日本が開発しているステルス戦闘機F-3でも同様の推力偏向ノズルを採用予定です。

推力偏向ノズル



いくつか呼び方のある推力偏向ノズルはエンジンノズルの向きを直接変えることで、翼を使用せずまたその補助的な役割として機体の姿勢制御を行うことができるというものです。そのため空中での機動性を高めたり短距離離陸を行うという目的から導入されることがありその多くが軍用機に採用されています。

従来中国の戦闘機に搭載されているエンジンに関してはロシア軍で採用されているエンジンに比べ耐久性が大きく劣り半分ほどの時間しか持たないなどと言われています。そのためロシアの技術が入ったとすれば大幅な性能向上につながっているものと考えられます。

推力偏向ノズルを採用したロシアのAL-31エンジンについて過去に製造工場が公開されています。
これが露戦闘機のエンジン製造現場だ! : ZAPZAP!