イラン ATR 72_1

今月18日、イランの山岳地帯に墜落したアセマン航空の双発プロペラ機について、今から3年ほど前に離陸後間もなく川に墜落した機体と同型機だったと報じられています。

18日午前、イランの首都テヘランから南西部に600kmほど離れた山岳地帯『ザグロス山脈(Zagros Mountains)』に、アセマン航空が運行する旅客機が墜落しました。現在のところ乗員乗客66人全員が死亡したと考えられているのですが、墜落した機体に関して2015年2月に台湾で墜落したATR 72と同じものだったと報じられています。

载66人伊朗客机撞山坠毁 同机型曾发生多起致命事故-中新网


記事によると事故機には乗客60人、警備員が2人、乗務員が2人、パイロットが2人搭乗していました。午前7時55分に首都テヘランを出発し、離陸から50分後にレーダーから消えました。目撃者によると機体は緊急着陸しようとしていたという話もあり、これが成功せず標高440mの山岳地帯に墜落したとのことです。

イラン ATR 72_2
Photo:Fars News Agency
墜落した機体を含めイランで運用されている旅客機は経済制裁もあり古いモデルを運用している場合が多くあると指摘しています。また他のメディアによると事故機についてはELT(航空機用救命無線機:遭難地点を探知させるため遭難信号を送信する無線設備)が搭載されているものの、故障していたのか人工衛星はELT信号を受信していないとしています。

▼ATR 72(参考資料)
ATR 72

墜落した機体を開発・製造しているのはATR(Avions de Transport Régional )です。機体はATR 72というもので、運用コストが安く排ガスも少ないなどの理由で主に短距離路線で多く運用されています。

一方で事故が目立つ機体としており1988年の初飛行以来、派生型を含め少なくとも10機ほど墜落しているとしています。3年前に台湾で墜落したトランスアジア航空235便墜落事故もこの機体が墜落していました。
ただ、台湾での墜落事故を含め人間側に問題があったケースが多く、ウィキペディアでも「目立つのは除氷措置を怠っての操舵機能の喪失である。次いでオペミス、悪天候と続く」と記載されています。