F-35B

海上自衛隊が運用する最大の艦艇として『いずも型護衛艦』がありますが、この艦艇を改修するなどして垂直離着陸F-35Bなどの航空機を運用可能か調査していると過去に報じられていたのですが、先日参院予算委員会の場で改めて調査を実施していると明らかにしました。

国内の複数メディアによると今月2日、参院予算委員会で日本共産党の小池晃氏の質問に対し小野寺五典防衛相は「護衛艦いずもに、F-35Bを搭載するか否かは何ら決まっておりません」と主張した上で、どのようなものが離発着可能か「必要な基礎調査を実施している」などという趣旨の説明を行いました。

このことに関して「閣僚が公式に言及したのは初めて」などと報じている一部メディアがあるのですが、2018年2月の時点で小野寺五典防衛相が今回とほぼ同じことを衆院予算委員会の場で明らかにしており『初めて』ではありません。(参考)

一方で、今回初めて明らかになったこともあり調査の対象となっているのは2隻建造された『いずも型護衛艦』の他にひゅうが型護衛艦を2隻を含む合計4隻です。いずれも航空機を搭載可能な格納庫と空母のような甲板を有する共通の船体構造が特徴です。

▼ひゅうが型護衛艦
ひゅうが型護衛艦

▼いずも型護衛艦
いずも型護衛艦_1

また、運用する航空機についてはF-35Bの他にも小型無人ヘリ「MQ-8C ファイアスカウト」、無人航空機「RQ-21 ブラックジャック」の3機種が調査の対象となっています。この調査に関しては海上自衛隊が「航空運用能力向上に係る調査研究」の委託業者を公募し、昨年2017年度の時点でいずもの建造業者であるジャパンマリンユナイテッドが実施しています。
調査結果については現時点で「運用の可否を調査している段階だ」としており、例えば具体的に船体の改装や機体の導入については未定です。

空母のようで空母ではない

航空機を運用するため『空母』ということになりそうなのですが、日本が過去に保有できないとした『攻撃型空母(CVA:Attack Aircraft Carrier)』というものには少なくとも分類はされません。正確にはアメリカでは『揚陸艦』に分類されます。つまり仮にF-35Bが運用されたとしても空母ではなく『揚陸艦(強襲揚陸艦)』です。
そのため各社の見出しなどではわかりやすく空母と表現していますが正しく表現ではないと考えられます。