WASP-39b

地球から見て乙女座の方角、約700光年先にあるのは『WASP-39b』という惑星です。この惑星自体は2011年に発見されていたのですが、大型の望遠鏡で観測した結果巨大ガス惑星の大気に相当量の水が含まれていたことがわかったとしています。

NASAのハッブル宇宙望遠鏡及び、スピッツァー宇宙望遠鏡を使用した観測によると、WASP-39bの大気内に大量の水(水蒸気)が初めて確認されました。見出しても紹介したようにこの天体は2011年に発見されており、サイズは木星半径の1.27倍あるものの質量は土星に近い木星の0.28倍しかなく、これまで発見された天体の中でも非常に密度が低い天体に分類されています。

NASA Finds a Large Amount of Water in an Exoplanet's Atmosphere

この不思議な天体を観測した結果、大気の組成を分析することに成功し土星のおよそ3倍ほどの水分を持っていることが初めてわかったとのことです。

また不思議なのはこの天体の位置です。この天体は太陽系に置き換えた場合、地球と太陽のわずか1/20の距離を公転しています。そのため4日で恒星を一周しており、恒星からの光と熱に晒される側の温度は摂氏776度まで上昇します。この天体は地球の衛星『月』と同じように常に同じ面を恒星側に向けています。

なぜ、これほどの環境にも関わらず水分を大量に含む天体が存在しているのか。その理由は明らかになっておらず、2019年に打ち上げられるジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を用いてより詳細な観測を行うことで形成過程を探るとしています。