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今月20日、安全保障調査会での会合でF-35B及び、これを運用する『多用途防衛型空母』の導入が「防衛計画の大綱」に盛り込まれることになりました。今回は謎多き『多用途防衛型空母』とは一体なんなのか、空母と強襲揚陸艦の違いに焦点をあてて調べていこうと思います。

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平たい甲板、そして飛び立つ航空機。この手の艦艇は一般的に空母と表現されることがあるのですが、様々な分類があり、空母のようで空母ではない揚陸艦(強襲揚陸艦)というものも存在します。この線引はどこでされているのでしょうか。

この手の分からないことはWikipediaで調べればある程度のことは書かれているのですが、私達素人にはそれでも見分けることが難しいです。なぜ同じような航空機を運用しているのに空母と空母ではない艦艇が存在しているのか、まずは双方の代表的な艦艇を紹介します。

ロナルド・レーガン
ニミッツ級航空母艦の9番艦「ロナルド・レーガン」です。全長は333m、排水量は10万トン、乗組員は5,000人です。そして搭載できる艦載機はヘリコプターをあわせ最大で90機。平時はこれよりも少なくジェット戦闘機を56機、ヘリコプター15機程度を搭載して運用していると言われています。
この手の空母が日本政府が「専守防衛の範囲外」としてきた『攻撃型空母』(CVA:Attack Aircraft Carrier)です。

アメリカ級強襲揚陸艦
一方、同じような甲板があり航空機を離着艦させることができるのは揚陸艦に分類される艦種です。アメリカ級強襲揚陸艦の場合、全長は257m、排水量は他国の強襲揚陸艦よりも大きいもののそれでも空母の半分以下の4万5000トンです。そして大きく異なるのは航空機の搭載数です。
ジェット機は最大で20機運用可能なのですが、通常は6機でアメリカでは海兵隊の兵士を運用するため輸送機としてオスプレイが12機を搭載するという構成になっています。


その上で、「何が違うのか」についてもっとわかりやすく表現すると攻撃型空母は航空機を飛ばし敵地を攻撃することを中心に行うものの、揚陸艦の任務は海兵隊を敵地に上陸させるための艦艇であり搭載する航空機はその上陸支援を行うために運用します。

では『多用途防衛型空母』とは一体どのような艦艇になるのでしょうか。発表された内容によると少くともロナルド・レーガンのような空母にはなりません。そしてF-35Bを運用するということから強襲揚陸艦と考えられます。しかし強襲揚陸艦を含む揚陸艦は空母ではないにもかかわらず『空母』という言葉が入っています。

もっと曖昧になる強襲揚陸艦

現在、F-35Bの導入を進めている国を見ると『多用途防衛型空母』に近い艦種が存在します。それは軽空母というものです。

▼イタリアの軽空母カヴール
カヴール
イタリアでは『カヴール』という軽空母が2008年に就役しています。元々この艦艇は艦尾が開く揚陸艦任務も実施可能な強襲揚陸艦に近い軽空母として開発されたものの最終的にこの機能は取り外されました。ただ、揚陸艦としての機能は備わっており海兵隊を325人を搭乗させ、航空機を搭載しないかわりに50両の水陸両用の装甲車を搭載可能でフェリーのように上陸させることができます。また小型の揚陸艇も展開可能な能力があります。

カヴールには将来的に12機のF-35Bを搭載予定で、任務に応じて構成を変えるという限りなく揚陸艦に近い運用が行われいます。


多用途防衛型空母についてどのような艦艇になるのかは自民党の中谷元元防衛相によると「掃海の母艦、病院船、災害時の拠点など、多用途な『移動できる滑走路』だ」と話しており、アメリカのような強襲揚陸艦というよりも、『空母』という文字が入っている以上はどちらかといいえばイタリアの軽空母に近いものになるかもしれません。

このように全長や排水量、運用できる航空機の数では明確な線引が難しく、最終的には運用する国が「軽空母」といえば軽空母、「強襲揚陸艦」といえば強襲揚陸艦、どちらもでなく「多用途防衛型空母」といえばそのようなものになると言った感じです。
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