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400人を乗せ14,000kmを無着陸で飛行できる性能を持つ新型双発旅客機ボーイング777X。機体はまだ就航していないものの、先日この機体に搭載される次世代エンジン「GE9X」の初飛行が実施されました。

ボーイングが開発中の次世代大型機777X向けエンジン「GE9X」が、現地時間3月13日に初飛行した。開発元のGEアビエーションが保有するボーイング747型機の試験機(FTB=Flying Test Bed)に取り付けられ、最初の飛行試験を実施した。

Aviation Wire
繋ぐ長距離路線として就航が予定されているのはボーイング777Xシリーズです。この機体には高効率の低燃費性能を誇るGE9Xが採用されているのですが、現地時間13日ジャンボジェットで知られる747型機を用いた飛行試験が初めて実施されたと報じられています。


民間機で使用されるエンジンとしては最大という巨大エンジンで空を飛ぶことになるボーイング777X(-8,-9)は、現在運行しているボーイング777-200や-300シリーズの後継機として開発されています。

スペックを比較すると777-300ERは250座席数で飛行距離は14,500kmです。対するボーイング777-9は414座席で飛行距離は14,000kmです。つまり777-9の場合は150人多く乗せ同じ距離を飛行できるという性能があります。
この機体に関しては生産は既に始まっているものの就航予定は2019年12月としています。

機体もビッグサイズのボーイング777X

実はこの機体、大きいのはエンジンだけではなく機体そのものも大きいという特徴があります。具体的には777-9Xの全長はジャンボジェットでお馴染みのボーイング747-8を20cm超えた76.5mとなっており世界最大です。そしてこの機体を支える翼については全長71.3m(787型は68.5m)です。

私達の感覚では「主翼くらいいくらでも大きくすればいい」と思ってしまうのですが実は国際民間航空機関「ICAO」が定めている旅客機の翼幅214フィート(65.2メートル)を超えており、777が駐機できた空港では777Xは駐機することができないというデメリットが生じてしまいます。

そこでボーイングは旅客機としては史上初と考えられる折り曲げる主翼を採用し、駐機時には64.8mにするという手段をとりました。

▼先端を折り曲げたボーイング777X
ボーイング777
機体の全体的な特徴以外にも客室内も大幅な変更が加えられており、例えば窓は競合機種よりも15%大きく、近年縮小され続けていた座席の幅も大きくする(エコノミークラスで幅46cm)など長時間拘束される旅客機内の快適さも向上させています。