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近々、アメリカとの首脳会談が行われるなどとされる北朝鮮。今年に入ってからは核実験どころか弾道ミサイルの発射すらも行われていないのですが、北朝鮮専門サイトによると北朝鮮では新たに建設されたプルトニウム製造用とされる原子炉で工事が進められていると報じています。

北朝鮮西部、首都平壌から北に80kmの位置にあるのは寧辺(ニョンビョン)核施設(寧辺原子力科学研究センター)です。ここには北朝鮮初の原子炉が製造され稼働した、北朝鮮における核技術の中枢ということになるのですが、ここに1985年に稼働した5メガワット原子炉に関して大規模な工事が行われていると38ノースが報じています。

North Korea’s Yongbyon Nuclear Research Center: Construction Progressing Rapidly Near Reactors; No Signs of Reprocessing | 38 North: Informed Analysis of North Korea

記事によると、工事が進められているのは5メガワット原子炉と九龍江近くの土地で、38ノースの分析によると冷却水を排出が行われる場所で大規模な掘削工事が行っているように見えるとしています。また最近、原子炉の冷却水の取水口付近でも工事が行われていたことが確認されていました。
そのため、安定した二次冷却水を確保しようと考えており、将来的により安定した形で原子炉を稼働させるための工事を見ています。

▼改修が進む寧辺核施設の5メガワット原子炉
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この施設で生産された電力と熱については過去に北朝鮮は電力は電力網に供給し、熱に関しては周辺のむらに供給を行っていると説明しいます。しかし、5メガワット原子炉の使用済み核燃料は放射化学研究所に送られ再処理することでプルトニウムを抽出しており、北朝鮮が過去に繰り返した核兵器の原料がここで生産されているということになります。

▼5メガワット原子炉(2008年)
5 メガワット実験用原子炉

5メガワット原子炉については38ノースによると今年2月頃まで稼働していたものの、それ以降は蒸気が確認されず停止していると考えられています。