ロコットロケット

欧州宇宙機関『ESA』は今月25日、ロシアが運用するロコットロケットを使い地球観測衛星を打ち上げたと発表しました。今回は人工衛星とロケットに関して紹介していきます。

高度815kmに投入されたのは『Sentinel-3B』(センチネル3B)という地球観測衛星です。主に宇宙から海面温度や地表面温度そして海面高度を測定する人工衛星になります。名前が『B』となっているように過去に『A』も打ち上げられており、今後も同じような観測衛星をいくつか打ち上げ研究が進められる予定です。

Russian Rokot launches Sentinel-3b – NASASpaceFlight.com


一方、この人工衛星を打ち上げのはロコットロケットで、元々はいくつか種類のあるユニバーサル・ロケットの一つとして開発された旧ソ連の弾道ミサイルです。具体的には核兵器を運搬する射程1万kmほどの大陸間弾道ミサイル UR-100をベースにしています。ただ、1985年を最後にUR-100及びその派生型は軍事用には生産されておらず、その後は人工衛星打ち上げのための安価なロコットロケットとして運用されています。
ロケットの性能としては上段にロケットを追加することで質量1,950kgの人工衛星を地球周回軌道に送る能力があります。


ユニバーサル・ロケットには他にも『UR-500』というものがり、こちらは旧ソ連が開発した世界最大出力のある水爆を運搬するために開発された大陸間弾道ミサイルでした。しかし2回の試験打ち上げが行われたのみで計画は中止。現在は国際宇宙ステーションの建設や人工衛星の打ち上げにも利用されているプロトンロケットとして運用されています。
このように元弾道ミサイルが人工衛星ため現在も運用されいるものは意外と多く、もちろんアメリカも例外ではありません。