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Amazonで注文した商品が自宅に届く宅配とは異なり人工衛星を打ち上げるロケットに関しては実際に打ち上げるまでには準備に最低でも数ヶ月を要します。一方、アメリカ国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)はこの期間を大幅に短縮するべく、打ち上げまでの日数をわずか数日しか設けないという新たなロケット開発を行うとのことです。

今年2月で発表された国防高等研究計画局(DARPA)が主催するDARPA Launch Challenge。これは小型の人工衛星を宇宙に数日単位で送り込むという内容になっているのですが、今回どのような事が求められているのか詳細が明らかになりました。

DARPA announces responsive launch prize competition - SpaceNews.com

海外メディアによると、DARPA Launch Challengeのスケージュールについては参加チームは来年2019年後半に打ち上げを行う必要があります。この時点で開発できるのはボーイングと行った企業に限られてくるのですが、『後半』と曖昧にしたのは具体的な打ち上げ日は知らせないという意図があるらしく、発射日そして発射場所は数週間前に知らされます
そして打ち上げの数日前にようやく搭載する人工衛星が知らされ予定日までにロケットに搭載、移動し地球数百kmの低軌道に投入する必要があります。また打ち上げる人工衛星は2つで、異なる地点から2機を打ち上げなければなりません。

打ち上げに関しては適切な軌道に衛星を投入できたのか、打ち上げた人工衛星の状態や期間内に打ち上げることができたのかなど複数項目が評価され1位のチームには日本円で約11億円、2位には約10億円、3位には約8億円が賞金として贈られます。また打ち上げが遅れた場合でも打ち上げに成功すれば2億円が4位以下に贈られるとのことです。

DARPAでは過去に同様のコンセプトとして地球低軌道に1,360kgの人工衛星を10日間に10回打ち上げることができるXS-1、戦闘機から発射する形で人工衛星を打ち上げるALASAというものがあります。

ペガサスロケット
▲即応性の高い固体燃料のペガサスロケット(オービタルATK)

何れにしても発射場所が指定されていないため発射台を建設する余裕がありません。そのため、航空機に搭載し空中発射するかもしくは地上を移動し北朝鮮の弾道ミサイルのように発射しなければなりません。その技術を現時点で持っている企業は少なくとも軍事用のミサイルを開発・運用したしたことがある数社しかいないと考えられるのですが、どのような企業が名乗りをあげロケットを運用していくのか注目です。