ケプラー

複数の系外惑星を発見し続ける成果を上げたケプラー宇宙望遠鏡に関して、今月燃料タンクに異常な減圧が発生し現在はセーフモードに入り、復活した場合は8月にも地球にデータを送信する作業に入るとしています。

ロシアの宇宙関連ニュースサイト『Космическая лента』によると、今月6日NASAによるとケプラー宇宙望遠鏡から機体の燃料タンクに異常な減圧を示すデータが送信され観測を停止していると発表しました。機体はセーフモードに入っており、なぜ燃料タンクが減圧したのかは詳細は明らかになっていません。

Телескоп Kepler переведен в безопасный режим

その上で、セーフモードは8月2日まで行うとしており以降地球に観測データを送信するため再起動するとしています。また燃料が漏れていたり燃料を使い切っていなければ8月6日以降も観測を続けるとしています。

▼打ち上げ前ケプラー宇宙望遠鏡
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同宇宙機は2009年3月に打ち上げられ、銀河系内にある恒星の前惑星が通過することで系外惑星を探すトランジット法による探査を行っていました。2012年7月と2013年8月に機体の姿勢を制御するリアクションホイールが4つのうち2が故障したことにより、制御が難しくなりました。しかし、残された2つのリアクションホイールとエンジン、及び太陽風を使用しK2ミッションという新しい探査を実施していました。

▼ケプラー宇宙望遠鏡の探査範囲
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ケプラー宇宙望遠鏡は地球からみてはくちょう座の翼付近、地上からは人の握りこぶし程の広い範囲を探査していました。具体的な成果としては2016年時点で観測した惑星のうち1,284個が惑星であることが分かり、その中の550個が地球のような岩石質の惑星であることが分かったとしています。またそのうちハビタブルゾーンを周回する惑星は9つしかなかったことも明らかになりました。

また2016年には宇宙の中で最も丸い球体を発見しています。これは地球から見て白鳥座の方角、約5000光年先にあるKepler 11145123という恒星で太陽をよりも真円に近いことを発見していました。データによると東西と南北のそれぞれの直径の差が太陽が約10kmだったのに対しKepler 11145123は約3kmしかありませんでした。さらに太陽よりも遥かに巨大な天体であることを考えてもほぼ真円であることが伺えます。