ドミトリー・ドンスコイ_1

韓国の複数メディアによると、1883年8月に進水し日本海海戦に参加したロシア帝国海軍の装甲巡洋艦『ドミトリー・ドンスコイ』を鬱陵島沖で発見したと報じています。

聯合ニュースによると、沈没船のサルベージや建設業などを行っている韓国企業「シンイルグループ」は今月15日午前9時50分頃、鬱陵島から1.3km沖、水深434mで船体が見つかったとしています。

113년 전 울릉 앞바다서 침몰한 러시아배 돈스코이호 발견

記事によると、同社の探査チームは14日沈没推定海域で有人潜水艇を2艇投入しドミトリー・ドンスコイと推定される沈没船を発見しました。その後、高解像度のカメラでドミトリー・ドンスコイに搭載されていた艦砲を確認し同装甲艦の設計図などから比較しほぼ同一艦であることが分かったとしています。さらに15日には船尾に船名を示す文字が確認されたことから、今回の発表に至りました。

ドミトリー・ドンスコイ_2

沈没船からはドミトリー・ドンスコイに当時搭載されていた203mm、152mmの各種艦砲、多数の機銃、煙突2本、マスト3本、木製のデッキが確認できました。艦首は430m地点、艦尾380mの水深で眠っているとしています。

ドミトリー・ドンスコイ_3

韓国メディアによると、船体は砲撃戦による着弾で激しく損傷しているものの甲板の状態は極めて良好だったとしています。今後、船体は引き揚げの手続きが行われるとのことです。

ドミトリー・ドンスコイは日本海海戦時にロシア帝国海軍の艦艇が次々と撃沈・拿捕されるなか最後まで砲撃を行いながら逃走しつづけ鬱陵島に到着。その後、乗組員らを島に避難させたあと自沈しました。この戦闘では乗組員の60人が死亡、120人が負傷したという記録が残っています。