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国際宇宙ステーションにドッキングしているソユーズ宇宙船に人為的な穴が開けられ空気漏れが発生した出来事に関して、宇宙飛行士で現在ロシアの国会議員(写真右)は「国際宇宙ステーションに滞在している宇宙飛行士が開けた可能性は捨てきれない」と主張していることが明らかになりました。

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これはロシアメディアSputnikが報じているもので、ロシア下院の国会議員で宇宙飛行士のマクシム・スラエフ氏はソユーズ宇宙船に開けられた穴は「精神的に弱く、地球への一日も早い帰還を望むクルーによって開けられた可能性も否定できない」などと主張したというものです。

精神的に強くない宇宙飛行士ならISSに孔くらい開けられる - Sputnik 日本

現在ソユーズ宇宙船に開けられた穴については流星塵や宇宙ゴミが衝突し自然に開けられたものではなく人為的に開けられたとロシア国営メディアが伝えており、2018年6月の整備中に開けられたとして合わせて「怠慢の責任者は特定された」などと報じています。

一方、スラエフ下院議員は「我々はみんな生身の人間だ。どんな人だって家に帰りたいと思うことはありうる。だがこの方法は十分ではない。これをやらかしたのが宇宙飛行士だということもありうる。これは絶対あり得ないとするのは全く正しくはない。こうであった場合、地球での人員選考が機能していないことになる。以前は人選には極めて厳格な心理テストが行われ、心理学者が参加していたので、その結果はとても重い意味を持っていた。ところが今やこうした人選レベルは格段に下がってしまっている」としています。

スラエフ氏の発言はロシアの国営メディアが報じる前に主張したものか、それとも後なのかは不明なのです。そのうえで、彼が何を言いたかったのかもうちょっとわかりやすく書き換えると、彼はあくまで宇宙飛行士の立場として『現在の宇宙飛行士の人選』について、過去の宇宙飛行士の人選に比べ現在は相当雑なものになっていると問題提起した上で、現在の人選で選ばれた意識の低い宇宙飛行士が家に帰りたいなどの理由で穴を開けた可能性は捨てきれないと主張しています。またソユーズ宇宙船にこのような穴をあける道具というのは国際宇宙ステーションにあるとも説明しています。

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Photo:NASA
こちらが実際に開けられたソユーズ宇宙船(軌道モジュール)の穴です。穴の周囲には3本ほど穴あけに失敗した線状の傷が確認できます。したがって穴はモジュールの内側から外側に向けて開けられたと想像できます。

ロシア国営メディアによると、穴は密閉剤で塞がれ打ち上げられたもののこれが乾燥し取れてしまったことで再び穴が空いてしまったとしています。

いずれにしてもカメラが設置されており、他の宇宙飛行士もいるなかで一人の宇宙飛行士が穴をあけるというのは難しいと考えられます。しかし、写真を見る限りでは直径2mm程度の穴の周囲や穴の中に密閉材が付けられた痕跡が確認できません。どのような物が使用されたのかは不明なのですが、仮に宇宙で使用するような強力な密閉剤が使われたのであれば乾燥程度で取れてしまうというのは考えにくいです。また、素人レベルでもこの手の穴を修理するときはまずは周囲の塗装を落として密閉剤が付きやすくするのですが、それすらも行われた痕跡がありません。

▼宇宙飛行士らにより応急修理された後の様子
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Photo:NASA
現時点でなぜ穴が開けられたのかなど不明な点が多く、問題発生から責任者の特定が早すぎるなど不自然な点があるのも事実です。

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マクシム・スラエフ氏はチェリャビンスク出身のロシアの宇宙飛行士。ソユーズTMA-16で2009年9月30日から第21次、第22次長期滞在の乗組員として国際宇宙ステーションに行っていたことがあります。
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