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アメリカの民間宇宙企業スペースXは月への民間人を載せた宇宙旅行計画に合わせて、2018年バージョンのビッグ・ファルコン・ロケット(BFR)を発表しました。BFR自体は昨年も発表されていたのですが、打ち上げ能力は更に低下し低軌道に100トンあまりと現実的な数値まで低下しました。

今月18日、アメリカのスペースXは月の周囲を飛行する宇宙旅行の契約をZOZOTOWNで有名な前澤友作氏と結んだと発表しました。打ち上げ予定は2023年としており、前澤氏はなんとBFRのすべての座席を購入しており、他のアーティストを招待し自身を含め6~8人を載せて月軌道を目指すとしています。座席の購入費用は明らかになっていないのですが、数百億円規模になっていることは間違いありません。

さて、今回の発表に合わせスペースXが開発を進めるビッグ・ファルコン・ロケット(以下、BFR)の最新の仕様についても発表されました。

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それによると2018年版BFRはBFS(ビッグ・ファルコン・スペースシップ)に、先端にカナードという翼を備え、機体後方にも3つの翼を搭載しています。後部の翼は垂直着陸時に着陸脚として作動します。

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今回発表された2018年版BFRについては地球低軌道への打ち上げ能力は宇宙船と第一段目を再使用する場合で100トン(以上)となりました。これは2017年版BFRでは150トン(非再使用型で250トン)、BFRの前身となるインタープラネタリー・トランスポート・システム(ITS)は300トン(非再使用型で550トン)となっており、当初の計画からは単純に1/3にまで低下したことになります。
この100トンという打ち上げ能力はサターンVロケットの135トンよりも小さく、アメリカが開発しているSLSというロケットよりも低い性能です。ただ、打ち上げコストについては再使用を行えるため格段に安くできる可能性があります。

これが一体何を意味するのかは想像は難しいのですが、実際のところITS時代の300トンという仕様ではそもそも打ち上げる人工衛星の数そのものが少なく、持て余す打ち上げ能力は逆にコストパフォーマンスを悪化させるという問題が発生します。一方100トンクラスでは今後始まるであろう月開発のロケットとしても十分運用可能なレベルであり、より打ち上げ需要が多いロケットに仕上がっているものと思われます。

あと5年あまりでこのロケットが開発できるのかという疑問についてはスペースXが廃業でもしない限り月への飛行はほぼ間違いなく行われると考えられます。ただ、規模の大きさと安全性が最優先される有人打ち上げということもあり、5年~10年単位の延期が発生することが予想されます。(ファルコンヘビーロケットでも当初2013年の打ち上げだったものの初号機の打ち上げは2018年になった)
スペースXによると2018年3月の時点でプロトタイプの建造が始まっていると発表しており、2019年にも初試験が実施されると報じられています。

ちなみに同社のイーロン・マスク氏本人はBFRに乗って月軌道旅行に出かけないのかという質問があったのですが、本人は安全性に疑問を感じているのか、それとも経営者であるため将来のことを考えているのか動画ではあまり乗り気ではなく前澤氏とは温度差を感じる様子も伺えます。

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