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世界で導入されている戦車には金属製の履帯が搭載されています。この履帯には主に一般道で利用するために取外し可能な特殊なゴムが搭載されているのですが、先日オーストリア陸軍で消耗したゴムを交換する珍しい写真が公開されました。

戦車により形状は異なるものの、アスファルトやコンクリートなど一般道を移動する場合は履帯にゴムを付け走行しています。これは路面を傷つけることを避ける他、スリップ防止のため搭載されているらしくそれ以外の土の上を走行する場合は履帯を交換するか取り外され運用されているそうです。

今回オーストリア陸軍の第14戦車大隊により公開されたのはそのゴムパッドを交換する様子です。この戦車には合計328個のゴムパッドがあり兵士がハンマーや金属棒を用いて1個1個交換しています。

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Photo:新浪网
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どのくらいの力が必要なのかわからないのですが、ムキムキ筋肉2人分が必要がらしく相当な力仕事となっています。

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謎の笑顔でハンマーを振る兵士。ゴムパッドは正面から込むというものではなく、側面から叩いて挿入するという形になっているようです。

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こちらが消耗したゴムパッド。ゴムパッドの中には金属の骨組みが入っており構造の強化の他、仮に消耗した場合で運用しても滑らないように接地面積を増やしているような印象を受けます。

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交換されたゴムパッド

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ゴムパッドの内側。履帯本体に接触する部分は金属で覆われています。

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こちらがゴムパッドを横から見たものです。このようにゴムパッドの側面には金属の爪が出ており走行中に履帯から外れないように工夫がされています。

ゴムパッドは2000~3000kmの走行で交換されるという内容が書かれており、車体の重量から考えても耐久性はかなり高いと思われます。ちなみに1両あたりの交換時間は3時間かかるとのことです。



今回交換作業が行われたのはドイツが開発したレオパルト2-A4という戦車です。重量は約55トン、1500馬力の4ストロークV型12気筒液冷ターボチャージド・ディーゼルを搭載しており最高速度は68km/hに達します。