再使用型月着陸船(ロッキード・マーティン)

トランプ政権下により進められている月の開発に関して、航空宇宙大手のロッキード・マーティンは月軌道の宇宙ステーション『ゲートウェイ』と月面上を行き来できる再使用型着陸船のコンセプトを発表しました。

3日、ドイツで開催されている宇宙会議でロッキード・マーティンは月軌道上に建設が予定されている宇宙ステーション『ゲートウェイ』と月面まで最大で4人の宇宙飛行士を運ぶことができる史上初と考えられる月面着陸船の概念を発表したと報じられています。

Lockheed Martin Unveils Plans for Huge Reusable Moon Lander for Astronauts

1969年、アメリカはアポロ計画で使用した月着陸船『アポロ月着陸船』により一度に2名の宇宙飛行士を月面に送り込むことに成功しました。しかし、これら着陸船は1回限りの使用に限定されており、以降おこなれた同様の有人着陸では新たに製造した着陸船を再び打ち上げ、月面着陸を実施していました。

再使用型月着陸船(ロッキード・マーティン)_1

ロッキード・マーティンが提唱した再使用型月着陸船はどのようなものになっているのでしょうか。同社によると、着陸船の重量は24トンで燃料を含めると68トンに達するといいます。スペックとしては4人を一度に月面に送り込むことができるとしており、4人という人数に関しては地球から打ち上げられる宇宙飛行士全員を送り込むことができる規模に設定しているものと考えられます。加えて1トンの荷物を搭載し月面着陸を行うとしています


また月面での滞在期間は最長で2週間としており燃料を補給することなく再びゲートウェイまで帰還することができます。もちろん燃料の補給が必要になってくるのですがこれは月もしくは小惑星から採掘された水や氷で液体水素や液体酸素を作るものと考えられます。

ただ、月に水(氷)があることは人工衛星の観測から確認されているものの月を採掘し液体水素や酸素を作り出す装置などは試験されたことはなく、安全性の問題もあるため当分は使い捨てとして使用されると考えられます。

再使用型月着陸船(ロッキード・マーティン)_2