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中国に比べ特にガンなどを早期発見ができるということで日本の医療が注目されているなどと過去に報じられていたことがあるのですが、近年日本国内の病院では日本人患者よりも中国人患者の方が多い病院ががあるという記事を紹介していきます。

2018年10月19日、求医網は、日本の国立がん研究センター東病院が、中国人に人気の理由について分析する記事を掲載した。

記事によると、近年中国人が日本へ行って治療を受けるケースが増えており、一部の病院では中国人患者の方が日本人よりも多い状況だという。記事は、そのうちの1つの病院が国立がん研究センター東病院だと紹介。

Record China
今回日本人よりも中国人のほうが利用者が多いなどと紹介されているのでは国立がん研究センター東病院(千葉県)です。記事では同病院に設置されている陽子線治療装置によるガン治療が利用されているといいます。

陽子線治療装置 | 国立がん研究センター 東病院

このような最新の医療機器が運用されている意外も中国人があえて日本を選ぶ理由はとして『国立病院であるため国の補助もあって治療費が比較的安い』ということ、さらに地理的にも近く欧米に比べ食文化も中国に近いこと、また多くの中国語表記もあり不便が少ないことも上げられています。

このような状況をもたらしているのは医療滞在ビザもあるとしており、これは文字通り外国人が医療を受ける場合に発給されるものです。申請にあたっては一定の経済力を有することを証明するもの(銀行残高証明書等)がなければそもそも発給すらされないというものになっており、逆に日本人が海外の医療滞在ビザを取得し国内よりも安価な東南アジアで治療を受けるという方法もあります。

海外で外国人が医療行為を受けた場合に問題になるのはその国の国民が支えている医療制度を食い物にしているのではないかという問題です。確かに日本でも報じられているように中国人を始めとした外国人らが医療制度の抜け道を利用し健康保険証を取得し上で安価で治療を受けて帰国する例や、最悪の場合治療費を踏み倒すことがあると報じられていたことがあるのも事実です。


医療滞在ビザに関しては詳しい内容は不明なのですが、例えば今回紹介されている陽子線治療装置については入院は別として日本人であっても先進医療でありそもそも保険は適用されていません。

また医療滞在ビザで入国し医療を受けている外国人について『第2章 国内医療機関における外国人患者の受入状況 2-1. - 経済産業省』(PDF)の資料によると「医療目的で渡航してきた外国人患者の未払いが発生したことはない」、「未払いの問題は発生していない。入院の場合は、見積もりを出して事前に全額を支払っていただき、退院する際に差額を調整する。支払い方法は現金やクレジットカード。」、「現金で支払いをしていたが、2例立て続けに未払いトラブルが起きたことがある。当初見積りよりも検査内容が安かったため検査費用を値下げしたら、その後の手術代も安くしろと言われた。以後、対策として前払いにした。(小規模)」としています。

資料でも書かれているように治療費の未払いや踏み倒しという問題は日本人相手でも少なからず発生しているものであり必ずしも外国人に限ったものではありません。その上で、外国人患者を受け入れいることで高価な機材の稼働率が上がったり、病気の進行がどうなるのか研究や開発が進むというメリットもあります。もちろん誰であれ適切な治療費を払うのは当然なのですが、国をまたいだ医療というのは今後も盛んになっていくことが予想されます。