image_774

アメリカの民間宇宙企業スペースXは今後約12,000基という桁違いの人工衛星を打ち上げ新たなインターネット網を構築しようとしています。これに関して今後6年以内に打ち上げを目指す1,600基あまりをより地球に近い軌道で運用する案を示していると報じられています。

米スペースXは衛星インターネット計画「スターリンク(Starlink)」を刷新し、一部衛星のより低軌道での運用を検討しています。FCC(連邦通信委員会)への提出資料によると、スペースXは1584個の人工衛星を高度550kmにて運用しようとしています。これにより、大気突入による廃棄を容易にしながら低レイテンシでの通信が可能になります。

sorae.info
これはスペースXがFCC(連邦通信委員会)に提出した新たな資料で明らかになったもので、スペースXがこれまで高度1,110kmに投入すると予定した衛星のうち1,584基に関して高度550kmを周回させることを要求しているといいます。

スペースXはこれまで6年以内に展開する衛星は4,425基を打ち上げ、初期展開する衛星はうち1,600基あまりとしていました。その後、7,518基を更に打ち上げ合計11,943基というこれまで人類が打ち上げた全衛星を超える数で私達個人も利用できるインターネット網を構築しようとしています。

▼非公式の映像


6年目以降に打ち上げられる7,518基に関しては今回発表された高度500km地点で運用するとしていました。つまり当初計画していた高度1,110kmに投入するとした衛星をより地球に近いところで先行運用するという目的と考えられるのですが、スペースXによると計画の変更について「15ミリ秒の低レイテンシ(低遅延)と衛星の処分をより簡単に行うためだ」と説明しているそうです。

アメリカではスペースXが大量の衛星を打ち上げることで例えば宇宙ゴミが増えるのではないかという懸念があるらしく、FCCも当初スペースXの案を承認した時に「宇宙ゴミの削減計画に基づいてスペースXの申請を許可するのは時期尚早だ」などと述べていたとされ、NASAもスターリンクにより人工衛星同士が衝突する危険性が高まると主張していました。

スペースXが構築を目指すスターリンクについては個人も使用できるもので、コストは月額50ドル(約5700円)程度で、100~300ドル程度のノートPCサイズのフェイズドアレイアンテナを設置する必要があるといいます。通信速度は1契約あたり1Gpbs(1,024Mbps)の帯域保証型の超高速接続になるとしており、現在運用されている光通信などの接続速度が不安定なインターネットにはならないとしています。
スペースXの次世代インターネット『スターリンク』、仕様はこのように : ZAPZAP!