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防衛装備庁によると、IHI(旧、石川島播磨重工業株式会社)が製造した「XF9-1」という将来の戦闘機用として開発を進めてきたエンジンに関して地上運転試験を行ない、計画していた推力15トンを達成したと発表しました。

防衛装備庁は11月13日、今年7月に受領した戦闘機用プロトタイプエンジンXF9-1が、地上運転試験においてこれまでに、アフターバーナー使用の最大推力15トンを達成したことを明らかにした。さらに2017年には現用各戦闘機用エンジンを上回る摂氏1800度のタービン入口温度(燃焼器出口温度ともいう)を達成していることなどから…

航空新聞社
これは毎年開催されている防衛省主催の防衛技術シンポジウムで発表されたものです。記事によると低バイパス比ターボファンエンジン『XF9-1』の燃焼試験を行った結果として、アフターバーナー使用時の最大推力が予定されていた15トンに達成したとし、合わせて極めて高温になるタービン入り口温度(燃焼器入り口温度)の1,800度も達成できたとのこと。

XF9-1は過去に発表された内容によると『戦闘機用エンジンのプロトタイプエンジン』で、将来的に日本が運用を目指すF-3というステルス戦闘機に搭載されるエンジンと言われています。エンジンはアフターバーナー非動作時で推力11トン以上(約108kN)動作時で15トン以上(147kN)を目標に開発されました。

推力を比較すると現在運用されているF-15のエンジンであればアフターバーナー非動作時で6.5トン、動作時で10.6トン程度です。ロシアのSu-35に搭載された新しいエンジンであれば非動作時で8.8トン、動作時で14.4トン。F-22は動作時で15.8トンとされており、F-35などの機体に搭載されているエンジンを除けば世界水準に達しています。
またXF9-1は小型に作られており入り口直径が1mで全長が4.8mです。比較としてF-22のエンジンが直径1.16m、全長5.16m、F-35のものは直径1.09mで全長5.59mとなっています。

防衛省によると来年度末までエンジンの運転試験を行ない基本的な性能を確認していくとしており様々な条件下でエンジンを作動させたり重要な耐久性の確認していくものと考えられます。