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今年8月末、国際宇宙ステーションにドッキングしたソユーズ宇宙船に何者かが穴をあけ空気漏れが発生した事件に関して、船外活動で直接調査を行ない地球に帰還した宇宙飛行士(写真)が記者会見を開き、穴は内部から外側に向けて開けられていたことを発表しました。

これは先日ロシアで行われた記者会見で述べてもので、事件は今年の8月28日、国際宇宙ステーションの気圧が低下するというトラブルが発生し、その空気漏れが宇宙飛行士ら乗り込んだソユーズ宇宙船の軌道モジュールに小さな穴が空いていたことがわかったというものです。

Russia: Hole drilled from inside Int'l Space Station capsule

その後、穴は国際宇宙ステーションに滞在していた宇宙飛行士により塞がれました。そしてm,今月11日には今回の記者会見に応じたSergei Prokopyev宇宙飛行士による船外活動が実施され、問題の軌道モジュールを宇宙空間で直接調査することも行われていました。
その結果として、冒頭も紹介したように穴は軌道モジュールから外側に向けて開けられていたと主張したと報じられています。現在、誰がこの穴を開けたのかはロシア当局が捜査に当たっているとしています。

▼船外活動で穴の箇所を開くロシア人宇宙飛行士。このような調査が行われたのは宇宙開発史上初になりました。
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▼船外活動で確認された穴

記者会見ではロシアの宇宙機関にあたるロスコスモスの長官は「穴は地上と宇宙空間で開けることができる」としているものの、少なくともロシアとアメリカ人宇宙飛行がやったものではないと見ています。またProkopyev宇宙飛行士も記者団に対して「わたしたち宇宙飛行士が穴を開けることは可能だと言うかもしれないが、私達はやっていない」と説明しているといいます。

この穴については当初ロシアの国営メディアが2018年6月にソユーズ宇宙船の整備中に開けられたものだと報道し「責任者も特定された」と報じていました。いずれにしても今回行われた調査結果を元に、当局は地上で穴が開けられた可能性が高いと判断していると考えられます。