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生物を根絶やしにすることができるほどの威力を持つ巨大隕石。もちろん大小様々な隕石は地球に落下しているのですが、イギリスの大学が行った研究によると地球や月に落下した隕石の数がある年代より大幅に増加していたことが分かったとしています。

【1月18日 AFP】地球や月に衝突する小惑星の数が、恐竜時代以降に2~3倍に増加しているとの研究結果が17日、発表された。恐竜は1個の巨大な隕石(いんせき)の衝突によって地球から永遠に姿を消した。米科学誌サイエンス(Science)に掲載された論文によると、この衝突発生ペースの増大が始まったのは2億9000万年前頃で、火星と木星の公転軌道の間にある小惑星帯で何らかの大規模な天体衝突が起きた時期と重なる可能性が高いという。

AFPBB News
隕石による生物の大量絶滅といえば今から6550万年前のK-T境界と呼ばれる年代が知られています。これは恐竜など多くの生物が死に絶えた大惨事で原因は『隕石説』が有力になっています。生物の大量絶滅と隕石の関係は度々出されているのですが、今回発表されたのは今から2億9000万年前頃から地球や月に落下した大型隕石の数が7億年前よりも約2.6倍も急増していたという研究です。

研究チームはNASAが運用する無人月探査機「ルナー・リコナイサンス・オービター(LRO)」の観測データから月面にあるクレーターの形成年代を推定し、更に地球への小惑星衝突の関係を調べた結果、隕石の落下頻度が増していたことがわかったといいます。

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その原因については火星と木星の間にあるアステロイドベルト(小惑星帯)を公転している比較的大きな小惑星が衝突するなどして太陽系に残骸が飛び散った可能性があるという説と年代が重なっているとも指摘されているそうです。

地球の歴史を見た場合、大量絶滅はこれまで5回発生しています。その1つは地球上の全生物の76%が姿を消したと言われている三畳紀末の大量絶滅(約2億1500万年~1億9960万年前)もあります。この大量絶滅の原因として2013年に岐阜県と大分県の地層から、地球の地殻にほとんど含まれておらず隕石に多く含まれる白金族元素が20~5000倍含まれていることを確認しており巨大隕石が地球に落下した証拠とする研究を発表しいます。