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2004年1月25日、今から15年前に着陸し昨年まで活動していた火星探査ローバー『オポチュニティ』。大規模な火星の砂嵐により通信が途絶したことに関して、現在も復帰は出来ておらず厳しい状況が依然として続いていることが明らかになりました。

アメリカのサイエンス誌に掲載された記事によると、火星探査ローバー『オポチュニティ』を運用しているNASAのジェット推進研究所(JPL)のオポチュニティチームは今後ローバーによる調査が継続されるのか数週間以内に決定されるとしています。

Winds fail to revive NASA’s Opportunity rover | Science | AAAS

オポチュニティは2004年1月25日以降、火星で活動をし続けていたものの2018年に発生した火星全体を覆う規模の大規模な砂嵐が原因で同年6月10日を最後に通信が途絶えた状態になっています。これは舞い上がった砂がオポチュニティのソーラーパネルを多い発電できなくなったためです。
6月10日の通信ではオポチュニティには自身を温めるヒーターを動作させるための電力は十分に確保されているという状態は明らかになりこの時点では生きていたのですが、以降一切通信出来ておらずどのような状態になっているのかは明らかになっていません。

何故、探査の終了が宣言されないのか。火星では『ダストクリアシーズン』という季節風が吹く時期がありこれが毎年11月から翌年1月末にかけ発生します。過去にもダストクリアシーズン中にソーラーパネルのチリが飛び発電量が上がった例がありこれに望みをかけていました。しかし、探査チームによるとシーズンの終わる2019年1月末の段階でも残念ながら通信は再開できていないとしており、最後の望みも絶たれた状態になりつつあります。

▼過去のダストクリアシーズン前と後のチリの様子
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NASAによると「2019年2月初め頃にまでに通信が再開できなければオポチュニティによる観測が今後も継続されるのか否か最終的な判断されることになる」と昨年10月末の段階で発表されており、間もなくその期限がやってくるということになります。

オポチュニティは当初火星日で90日を想定し設計されたものの地球年で15年近くノーメンテナンスで動き続けました。走行距離は実に45kmに達します。驚異的な耐久性はまさにアメリカの技術の高さと探査に関わる優秀な人才がいることを示したものであり今後も長く語り継がれる歴史的な成果です。