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昨日発生した北海道・胆振地方で発生したマグニチュード5.7、最大震度6弱という大きい地震が発生しました。気になるのは同じく先日最大となったスーパームーンです。今回は都市伝説ではないスーパームーンと大地震の関連性について再度紹介していきます。

今月19日~20日、地球と月の距離が通常よりも近くなる『スーパームーン』が発生しました。地球との距離は35,7000kmとなり2019年に発生するスーパームーンとしては最も明るく見える満月となりました。

気になるのは都市伝説程度に語られる事があるスーパームーンと大地震との関係です。実際のところ、スーパームーンと大地震は科学的にはどのように判断されているのか、過去に発表されていた研究内容を改めて紹介していきます。

これは2016年9月、京大学の井出哲教授(地震物理学)らの研究チームが英科学誌『ネイチャー・ジオサイエンス』に発表した論文で、月や太陽の引力が地下の岩盤に影響を与えると考えられるというものです。
この研究では1976~2015年に発生したマグニチュード5.5以上の地震1万1397件に対して、地震発生の直前の2週間の太陽と月そして地球の位置関係を調査しました。さらに潮位から地下にかかる力の大きさの変化を計算しました。
つまり通常の満月やスーパームーンといった特別なイベントと比較的大きい地震の因果関係が調べられたものになるのですが、結果としては2004年のスマトラ島沖地震(マグニチュード9.1)、チリ地震(マグニチュード8.8) 2011年の東日本大震災(9.0)などマグニチュード8~9クラスの巨大地震は新月と満月の前後に発生するケースが多いことが判明したとしてます。ただ、昨日発生したようなマグニチュード7以下では因果関係が明確には認められなかったとしています。

また同様の研究についてはアメリカ地質調査所も研究結果を発表しており、2008年~2015円にかけアメリカ本土にある全長1300kmのサンアンドレアス断層で発生した8万回あまりの地震について研究したところ、新月や満月を中心としたその前後に地震が増加していることが科学的な研究データからわかったとしています。

参考:巨大地震、満月と新月の時に起きやすい―東大 : ZAPZAP!

新月と満月の度に注意しなければならないのかというとそうでもありません。というのも、単純に新月と満月が発生する2週間を注意しなければならないということになると、ほぼ365日毎日地震に注意しなければならないことになります。
仮に月の動きから地震に警戒するとなると、人命が失われるような巨大地震が発生する可能性がゼロではないスーパームーンに限定したほうがよいと考えられます。次回のスーパームーンは約1ヶ月後の来月21日木曜日です。