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ここ最近、天候による影響で微細粉塵いわゆる『PM2.5』などの大気汚染が深刻化しているのは韓国です。その首都ソウルでは大気中の微細粉塵をチャッチし低減すると謳う胡散臭い光触媒塗装を公共施設に施す計画が報じられています。

先日、微細粉塵の濃度が観測史上もっとも高くなるなど深刻な大気汚染が続いている韓国の首都ソウル。これにより車利用制限がかかるなど市民生活に影響もでているのですが、一方ソウルでは公共の建物に微細粉塵をキャッチすると謳う「光触媒塗料」の導入を進めると韓国メディアが報じています。

"페인트 칠해 미세먼지 잡는다" 전문가 놀라게 한 서울시 정책

いったいどのような塗装なのか。記事によると、この塗装を開発したのはソウル市傘下『SH公社』が昨年独自開発したものです。酸化チタンのような働きをするという光触媒塗装で、光が当たることで付着したPM2.5などの物質を分解し無害にし雨が降ると流れ落ちると主張しているといいます。

明らかに胡散臭いのですが、韓国メディアによると今回公共施設に塗るしている塗装については、実はPM2.5を無害にするということに関して科学的に証明されておらず、即興的な対策を市がやっているのではないかと指摘されているとのこと。


ソウル市の計画によると今年10月に着工する施設でこの光触媒塗装を施す予定があるとしており、効果が確認されれば市内の公共施設、つまり学校や病院、図書館などにも拡大していくとのこと。

具体的にどのような効果が出ているのか、当然開発にあたって実験は行われているのですがSH公社によると実験室内のデータとして1000立法メートルの面積あたり窒素酸化物を49g(1時間あたり)減少させることができたとしており、アパートに施した実験でも同様の結果が得られたなどとし、今年6月にも正確なデータを公開すると話しているとのこと。

▼試験として光触媒を塗る様子
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一方、複数の専門家からは疑問の声が早速挙がっており「実験室と実際の数値は大きく異なる恐れがある」「費用対効果も不明だ」と主張しているとのことです。実際にこの塗装は一般的な塗装の実に5倍も値段が高く、3500立法メートルあたりの塗装代だけで5000万ウォン(500万円)かかるとしています。

明らかに税金を傘下のSH公社に流すための公共実業とみてよさそうなのですが、一般的な塗装とこの光触媒の塗装の違いが検証されているのか、また公共施設というソウル市にあるすべての建物の数%以下の限られた建物に塗りたくったところで効果があるという証明はそもそもできないと考えられます。