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近年世界各国で開発が進んでいるのは宇宙や大気圏内を極超音速で飛行する兵器です。米空軍はジェネレーション・オービットと契約しX-60Aという試験機を開発しているのですが、いったい機体になっているのでしょうか。

ジェネレーション・オービットという聞き慣れない企業が米空軍と契約し開発しているのがこのX-60Aという極超音速試験機です。この機体はあくまで試験機であり爆弾などは搭載されていないのですが、この研究成果は後の兵器として運用されるということになります。

X-60A Mach 8 Hypersonic Test Platform – NextBigFuture.com

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ジェネレーション・オービットは小型衛星や超小型衛星専用の空中発射打ち上げロケットを開発している企業です。米空軍は航空機から発射可能な極超音速兵器の運用にあたって、同社の『GOLauncher 1』を改造する形で極超音速兵器の試験機として利用することにしました。
同様の軍事用の極超音速機は通常の弾道ミサイルのように車両から発射するタイプ、ミサイル基地やミサイルサイロから通常のロケットのように発射するタイプ、また航空機から空中発射するタイプが現在研究されています。

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『GOLauncher 1』ことX-60Aは一般的なミサイルと同じように空中発射型の単段式ロケットでロケット花火のような固体燃料ではなく液体酸素とケロシンを燃焼させる液体燃料ロケットエンジンを搭載しています。普通のロケットと異なる点はX-60Aは発射後の軌道を通常のミサイルのように任意に調整可能な能力を持っていることです。

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一般的なロケットは容易に極超音速の飛行速度を出すことができるのですが、途中で飛行軌道を変更するは難しいという欠点があります。一方、X-60Aはまるで巡航ミサイルのように自由に飛行進路を変更できるような極超音速機となっており、これは敵からの攻撃を回避する以外にも防空システムが緩い進路から進入し敵基地などを叩くという能力があるということになります。

空中発射ロケットは安価なものでも1基あたり安くても数億円はするというものなのですが、X-60Aはより安価な試験機として来年の2020年頃に初飛行を目指しているとのことです。