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先日、中国一の桜の名所とも言われる武漢大学で満開になり多くの観光客が花見に訪れたと報じられていました。しかし、最近訪れた観光客が和服と思われる姿で花見をしていたところ警備員から暴行を受けたとして波紋が広がっていると報じられています。

これは中国共産党の機関紙『人民日報』の海外向けとなる環球時報が報じたもので、トラブルがあったのは今月24日午前です。登場するのは武漢市公安局の警備員と桜を見に来たという2人の若者です。この様子は1分34秒ほどの動画で公開されているとのことです。

赏樱起冲突,别让“穿唐装还是和服”成焦点_社会_环球网

記事によると、警備員はトラブルが発生した武漢大学の人物だとしており、2人の若者については武漢大学の学生ではなく瀋陽市から来た男子大学生と報じられているのですが詳細は不明です。動画では警備員と2人の若者が言い争う場面が写っている他、警備員から首を締められるという暴行を受ける様子も映し出されていたとしています。



具体的に何でトラブルになったのでしょうか、警備員4人いたらしく若者2人のうち1人がゲタのようなものを履き、和服のような身だしなみで花見に訪れたことを問題視し口論になったといいます。実は武漢大学では理由は明らかになっていないものの「2000年に和服で花見をしたり記念撮影をしてはいけない」とう謎の規則を設けていました。したがって警備員はその規則に沿って注意したということになるのですが、若者側は「なぜ着物をきてはいけないのか」その理由を問いただしていたといいます。
これに関して警備員は明確に「漢族の服(漢服)を着てこないのか」と発言していたことが明らかになっています。

どの時点で暴行を受けたのかはわからないものの、警備員から暴行を受け若者は「なぜ殴るんだ」と大声で抗議する姿が映し出されていました。この様子は中国のインターネットメディアでも報じられているとします。また激しい暴行を受けたのは動画を見るかぎりは一緒にきていたもう一人の若者で、首を締められたことで意識はなく倒れ込む姿が映し出されています。


この問題に関して環球時報は「和服は日本の伝統的な衣装であり中国でも和服を好むファンがいる」「警備員の感情は理解することはできるものの、着物を身につけるのは個人的な趣味であり自由。武漢大学で和服での立ち入りを禁止しているのであれば入場する時点で拒否すればいいだけであり、その時点で警備の面で欠陥が生じている」とし「暴行は法律を破っていることでより深刻な問題だ」と主張しています。

今回のトラブルに関して武漢市公安局は記者団に対して、若者が着物のようなものを纏い桜を見るため学校にはいったことが原因だとし警備員の行動については問題はなかったという主張しているとのことです。


ちなみに2009年に中国では漢民族の伝統的衣装とされる漢服を広めている若者グループに対する中国人らの扱いにも報じられていたことがあります。それによると、中国人自体がそもそも和服なのか漢服なのか服装の見分けがついていないという問題を指摘しており、漢服を広めようとしていたグループによるとブログには「和服か!でていけ!」などとコメントされたこともあったといいます。また漢服で活動中には「日本人か、朝鮮人か」と聞かれることがあった他、北京五輪に漢服で観戦していたところスタッフから英語で話しかけられたこともあったといいます。(参考)
*抄訳したものを掲載しています