ヌリロケット(2段目)

近年、韓国では『ヌリ』というロケットの試験打ち上げに成功するなど、地域的な理由から制限されていたこともあり遅れをとっている宇宙分野に関して韓国はアメリカのNASAに似た『宇宙庁』の設立を目指しています。しかし、実質は『宇宙局』レベルになっている、いくつかなど問題があると指摘されています。

2018年11月末、韓国が2021年の運用を目指すヌリと呼ばれるロケットの試験打ち上げに成功しました。これはヌリロケットの2段目にあたる部分の試験打ち上げになったのですが、高度209kmの宇宙空間に達しました。これは韓国が独自で作ったロケットとしては最大となりました。

中央日報によると韓国では現在新たにアメリカのNASAと同じような独立した『宇宙庁』のような組織の設立を目指しているものの、実際は科学技術情報通信部内部に設立されており局長級の官僚による実質『宇宙局』に留まっているとしています。

한국판 NASA 만들자 하니, 공무원 늘리겠다는 과기부

この指摘に関して科学技術情報通信部内部は「独立した宇宙庁の形態が望ましいという意見が多いのは知っている」としながらも、「現実的に宇宙庁を一つ増やすのは容易なものではない」とし「まずは局
で設立した後に独立した庁にしていくことが望ましい」と説明しているそうです。

▼ヌリロケット(地球低軌道に1.5トンの質量を送り込むことができる3段式のロケット)
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最もな意見のようですが、国内の科学技術界は否定的な意見が寄せられており、漢陽大学建設環境工学科の教授は「宇宙庁設立の理由は独立性と専門性」だと強調した上で、「独立した庁のではない『局』留まりでは専門性の確率ができず、予算も独立しておらず宇宙政策を生み出すことはできない」と指摘しているとのことです。

詳しい内容は不明なのですが、現在の管理部署内の宇宙政策関連組織は科学技術情報通信部に2つあるのみで、2つの組織をあわせて19人の職員(専門性が高いとはいえない公務員)しかないといいます。また平均して1~2年で異動があるため問題が生じるくるとしています。