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氷が発見されたことで今後、有人月面探査や基地の建設が始まると注目されている『月』。この月に先日、イスラエルの企業が民間としては世界初となる無人探査機の着陸が実施されたものの、通信トラブルとエンジントラブルが発生し失敗に終わったと報じられています。

国内外の複数メディアによると、イスラエルの民間企業『スペース IL』が開発したベレシートと名付けられた無人探査機が11日に着陸する予定だったものの、エンジンが停止したことで月面に衝突し機体を失ったと報じています。

記事によると、この探査機は今年2月に打ち上げられた直径2m、高さ1.5mと比較的大きなサイズなのですが、これまで月面に投入された探査機としては世界最小でした。着陸に至るまで地球を楕円軌道で周回しながら速度をあげ徐々に月に近づく軌道をとり、今月4日にようやく月軌道への投入に成功していました。

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墜落の原因については着陸の最終段階の工程となった高度150mで突然通信が断絶。この時の状態としては速度3,396km/hで移動しており、着陸地点からは120km離れていたとしています。なぜ通信が途絶えたのかその原因は明らかになっておらず、通信の復旧を試みている最中に次はエンジンにも何らかのトラブルが発生したとしており、結果的に月面に機体が激突し失われたとしています。

▼ベレシートが最後に撮影した月
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スペース ILは今から8年前に企業したベンチャー企業で、今回の挑戦は米グーグルのルナXプライズが民間初の月面着陸を目指すチームに2000万ドル(22億円)を出資するなどした企画に挑んでいいたものです。今回は失敗に終わったもののルナXプライズは「着陸への挑戦は若い世代に対して科学技術への興味を向けてくれた。また宇宙産業の前進にも貢献した」としてスペース ILに対して賞金100万ドル(1億1000万円)を出資すること発表しているとのことです。